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厳戒態勢の仏、外出禁止延長

Japan In-depth / 2020年3月28日 23時0分

しかしながら、外出禁止といっても、開始当初はまだまだフランス人たちが外出していた。フランス内務省によると、これまでにおよそ174万人が街頭で警察から聴取を受け、不必要な外出をしたとして9万1824人が罰金を科された。この当時、外にでていたフランス人がいかに多かったことがこの数字からもわかるだろう。


一方、


①自宅ではできない仕事のための移動


②食料品など必需品の買い出し


③通院


④短時間の軽い運動やペットの散歩


⑤高齢者や家族の介助


での外出は認められている。


 


しかし、この軽い運動については、拡大解釈する人々が後をたたず、各地の公園や森、海辺、川のほとりでは散歩やジョギングしている人出であふれた。また、買い出しが必要なのはもっともなのだが、特にパリの午前中に開かれる路上の市場などには、野外とはいえ密接しながら大勢の人が集まっていた。


その後、各地で、さらに厳しい規則が日々プラスされた。公園や森、海辺、川のほとりはすでに閉鎖された。市場については、24日から基本的には閉鎖するとした。ただし、必要な場合もあるのでその判断は各県が判断することになる。 通院に関しても、医者からの証明書がない限りいけなくなった。また、運動するために外に出る時間も1時間と限定され、家から1km以内、一日一回のみと細かく設定された。



写真)ルーヴル美術館(パリ, フランス)


出典)unsplash : Shubhagata Sengupta


 


また、ニースなど複数の町で夜間外出禁止令が実施された。それでも厳守しないフランス人もいるが、2か月の「伝染病緊急状態」が宣言された24日からは、ついに投獄も追加されたのだ。


一回目の違反は、135ユーロの罰金。15日以内に再度違反した場合、請求額は1500ユーロに増加。さらに、30日以内に4回目のルールの違反があれば犯罪となり、最高6カ月の投獄と3700ユーロの罰金で処罰されるようになった。


そんな中、現在は、10日以上も家の中にとじこめられた家族の中にはストレスをためている人も多い。家庭内暴力の報告件数も32%増えたため、薬局と警察を繋げるシステムも作り、買い物に来た時に通報できるように対策も練られた。19m2のアパートで身動きをとるのも難しい中、家族5人が肩を寄せ合って過ごしている家庭もある。精神科医への相談も爆発的に増えている。外出禁止期間が延びた今後、ストレスに押しつぶされる人はさらに増えるだろう。


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