厳戒態勢の仏、外出禁止延長
Japan In-depth / 2020年3月28日 23時0分
普段は、反骨精神まんまんなフランス人ではあるが、こういった非常時には、メディア、教育機関、病院、その他団体は一丸となってフランス国に協力を惜しまないようである。
・検査の状況
フランスでは、現時点まで検査体制がそこまで整っていなかったこともあり、必要とされる人(健康に問題がある人、高齢者、妊婦)に対してのみ検査が行われてきた。ヴェラン厚生大臣は、今後検査数を増やしていくことを約束。よりシンプルで高度にできる検査方法の開発が期待されている。
検査数に対してなんといっても、比較されるのはお隣のドイツだ。ドイツでは週50万件の検査がされており、感染者が多く確認されているのにもかかわらず、死亡人数はフランスの6分の1程度だ。このことが、今フランスのメディアでよく取り上げられるようになっている。そして、ドイツの専門家が、この検査の多さと感染者の早期発見していることがドイツの死亡率が低くい理由と述べたこともあり、フランスでも検査数の増加を求める声が高まる一方だ。
しかし、確かに検査数もドイツとフランスでは違うかもしれないが、違いはそれだけではない。医療体制の充実さにも大きな差が存在している。
・ドイツの医療体制の充実さ
なんといっても、今回注目されたのは集中治療室(ICU)のベッドの数だ。フランスでは発表によるとICUは数を増やして現在は8000床が用意されているが、なんと、ドイツでは25000床がすでに先週の時点であった。圧倒的に医療体制の豊かさが違うのだ。また、それだけではない。ドイツは一部の自治体レベルで外出禁止にはなっているが、全国的には外出禁止ではなく外出を控えよという表現にとどまり、その代わり3人以上で集まることが禁止されている程度だ。それでもうまく機能しているのは、(どこまでうのみにしていいかは置いておいても、)フランスではドイツは個人が(フランス人よりも)規律を守る傾向にあるからだとも伝えられていた。
そんなドイツがフランスへの援助を申し出た。ドイツ、スイス、ルクセンブルクの国境に近いフランスのアルザス地方のオート・ラン県では、感染が大きく広がり病院は飽和状態だ。軍による野外病院が建設されたり、軍用機によりマルセイユ、トゥーロン、ボルドーに患者を移送しているがまったく追いつかない。そこで、ドイツの病院がフランスの患者を受け入れる準備があると名乗り出たのだ。アルザス地方は、フランス国内よりも距離的にドイツの方が近い。高速電車「TGV」により、フランス各地の病院に患者を搬送するとともに、ドイツへの搬送もされはじめた。また、ルクセンブルク、スイスでもフランスの患者受け入れが承諾され、ヨーロッパ間の立地という利点と、EUという結束が示された形だ。
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