真の脅威はインフォデミック(上) ウイルスより人間が怖い 1
Japan In-depth / 2020年3月31日 23時34分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・パンデミックの理由のひとつは「地球が狭くなったから」。
・パニックを避け、助長しないためには「基礎の基礎の知識」が重要。
・我々の生活に甚大な影響を及ぼすのは「インフォデミック」。
3月11日。本来ならば、東日本大震災の慰霊祭が行われるはずであったが、今年は中止となった。
すでに誰もが知る通り、新型コロナウイルスが蔓延しているので、政府がイベントの中止を呼びかけ、学校も臨時休校となっているためだ。
なにしろ、この日WHO(世界保健機構)はパンデミックを宣言した。あまり耳慣れない言葉だが、病気が世界的に大流行している状態を指す。今ではPandemicという英語として普通に通じるが、語源は「すべての人々」を意味するギリシャ語である。
他にエンデミック、エピデミックという言葉があるのだが、それぞれどのような意味なのか、ここで知っていただくことは、決して無駄ではないであろう。
エンデミックとは、特定の地域で特定の病気が1年中流行している状態で、かつては風土病と呼ばれることが多かったが、今やこの呼び方は死語に近くなっている。この問題は、少し後で見る。
エピデミックは、ある感染症が広まり、ピークを迎えた後、収束に向かう状態を指す。インフルエンザが典型だと言えば、大体のところはお分かりいただけるであろうか。
つまり、エピデミックが世界規模に拡大した状態がパンデミックなのだ。
次に、ウイルスとはなにかだが、実はこれ、生物なのかそうでないのかさえ、未だ専門家の間で見解が統一されていない。DNAなどの遺伝物質がタンパク質に包まれているだけで、生殖もしなければ、なんらかの養分を外部から採り入れることもない。生物の細胞に付着し、そのエネルギーを利用して遺伝情報をそっくりコピーするだけだ。
▲画像 ヒト免疫不全ウイルスの模式図 出典:Los Alamos National Laboratory
一方で、取りつかれた細胞はエネルギーを失って死滅してしまうので、これがつまり炎症などの病気の原因であるが、感染しても必ず発病するとは限らない。毒性の低いウイルスもあるし、抗体や健康状態には個人差があるからだ。
感染ルートは様々だが、今次の新型コロナウイルスをはじめ、咳やくしゃみで拡散する「飛沫感染」がもっともよく知られている。この場合、最初に感染するのは気管の上部で、他に、飛沫が付着したままの皮膚も危険だ。「うがい手洗い」がなぜ効果的なのか、これ以上多くを語るまでもないだろう。
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