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イージスアショアは必要ない

Japan In-depth / 2020年4月3日 23時0分

アショア配備予定地の近隣住民の健康懸念は当然だ。筆者はこの件を河野防衛大臣に会見で質したが、大臣の回答は運用に関することは言えないというものだった。


 


 Q:アショアについてお伺いします。アショアはアセスメントで導入が可能ということであれば、例えば海自のイージス艦が現在では50海里外に出てからでしかイージスレーダーの火を入れてないのですが、湾内だとか停泊地内でもこれが使えるということになるのでしょうか。


 A:運用についてお答えするのは差し控えます。


 


だが、それで配備先の地元が納得するだろうか。健康被害や電波障害の問題があるからこそ、イージス艦は外洋でしかレーダーに火をいれないのに、それを内陸に設置するのは人権侵害だと言われたら、防衛省は反論できないはずだ。ろくなアセスメントすらせずに、運用上の秘密だといって答えないのは民主国家のあり方ではない。アショア配備を決定した官邸はまるで独裁国のようだ。


自衛隊、特に陸自の予算的な負担が増して、弱体化が更に進む。アショア導入と運用には巨額な出費であり、陸自の負担が増加する。アショアの導入、運用予算がその他の装備更新・訓練・整備費を喰うようになって更に不足し、任務に支障を来たす。現状ですら装備の稼働率は下がり、ヘリコプターの搭乗員の訓練は以前の年125時間から80時間程度に減らされている。これでは搭乗員や整備員の技量が下がって戦力がダウンする。のみならず事故が発生する可能性も高くなる。


アショアでは設置場所での実弾射撃訓練ができず、迎撃はぶっつけ本番になる。有事に機能するかどうかは分からない。また運用認定試験もハワイの米軍の設備(システム)で実施せざるを得ない。これはハワイの試験用設備(システム)まで日本の負担とされる恐れが大きい。


もう一つの問題はアショアが採用するのは海自のレイセオン社製のイージスレーダーSPY6と全くの別物であり、互換性がないロッキード・マーティン製のSPY7であることだ。このため訓練、兵站は陸海自別となって効率が悪くなり、運用コストも高くなる。SPY7は開発中であり、開発費までかなりの額を日本が負担させられる可能性もある。



▲写真 ロッキード・マーチン社製のイージスアショア(ルーマニア)Photo by Missile Defense Agency Photo 出典:USNI NEWS


当初から官邸はSPY7の採用ありきであり、官邸あるいは和泉首相補佐官とロッキード・マーティン社との癒着が疑われても仕方あるまい。


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