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韓国、与党圧勝で左派独裁へ

Japan In-depth / 2020年4月19日 23時0分

韓国、与党圧勝で左派独裁へ


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)


【まとめ】


・韓国国会議員総選挙、失政続きの政権与党が異例の圧勝。


・圧勝は有権者がウイルス不安解消を求めた目先の行動による。


・与党圧勝で左派独裁政治が登場するだろう。


 


4月15日に行われた韓国の国会議員総選挙は、左派系与党「共に民主党」が比例の「共に市民党」と合わせて単独で300議席の内180議席を獲得して圧勝した。左派の「開かれた民主党」と友党の「正義党」などを含めると188議席を手にしたことになる。


これに対して保守系は未来統合党と「未来韓国党」及び保守系無所属合わせて107議席にとどまった。通常、「政権審判」の色合いが強い大統領任期半での総選挙で、失政続きの政権与党がここまで大勝するのは、異例というよりは異常だ。


この議席数は、多数派の独走に歯止めをかけた「国会先進化法」を無力化するもので、今後、共に民主党は議会で、野党との合意を経ることなく、憲法改正以外のすべての法案を単独で速やかに成立させることができる。


これで文在寅政権は、行政、司法、だけでなく立法府の権力も完全に掌握した。掌握済みの地方権力を合わせると、ほぼ権力のすべてを手中に収めたといえる。


 


■ 韓国与党圧勝の要因


与党圧勝の要因は、一言で言って、新型コロナウイルスで、慌てふためいた多くの有権者が、3年間の国政評価を放り出して、目先の不安解消を求めて行動したことだ。与党に投票した50数%の有権者は、文在寅政権の新型コロナウイルス対策が成功裏に行われていると判断し、3年間の経済失政や前法務長官の曺国(チョ・グク)を始めとした大統領府関係者の汚職疑惑、そして露骨な蔚山市不正選挙疑惑など、深刻な問題の追求をやめてしまった。


この選挙行動について韓国のマスコミは「国難を前に、牽制より安定を選んだ」などと当たり障りのない表現を使ったが、すでに登場した巨大権力の前で怯えを見せている。



▲写真 曺国(チョ・グク)氏 出典:Flickr; Republic of Korea


一方保守勢力の中心にいた「未来統合党」の力不足も与党勝利を助けた。公認をめぐり対立しただけでなく保守統合にも失敗し、今回選挙での保守票44%をまとめ切れなかった。


これは「未来統合党」党首の黄教安氏が官僚出身の実務家で政治経験が浅かったことから、リーダーシップを発揮できずに迷走したこととも関係している。


しかし今回の投票行動の根底にあるのは、ポピュリズム的扇動政治に慣らされた韓国国民の民度低下だ。韓国国民の国家安保意識の低下は、韓国の世論構造を根本的に変化させ、良識ある勢力を弱体化させている。


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