1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

アニメの出来は声優次第 家にいるなら邦画を見よう 4

Japan In-depth / 2020年5月2日 7時0分

アニメの出来は声優次第 家にいるなら邦画を見よう 4


林信吾(作家・ジャーナリスト)


「林信吾の西方見聞録」


【まとめ】


・日本アニメは別格扱い。だいぶ以前からヨーロッパに根付いていた。


・大島渚監督は、映画に起用するなら「素人を優先」したそうだ。


・俳優不在のアニメ映画は、声優の力量で作品のクオリティが決まる。


 


アニメ映画も、それなりの数を見てきた。


それなりの数、とは、なんともはや、奥歯に物が挟まったような言い方で、私自身あまり好きではない。ただ、そのように言わざるを得ない事情があるのだ。


昭和の小学生なので、映画が娯楽の王者であった時代を生きてきている。


西暦で言うと1960年代ということになるが、その当時、夏冬の休みになるとアニメ映画を何本も上映する「東映まんがまつり」というイベントがあった。『ジャングル大帝』とか、手塚治虫の作品が多かったように記憶している。


中学生になってからは、アニメ映画からは足が遠のいてしまって、1970年代後半以降のヒット作、具体的には『ルパン三世』『エヴァンゲリオン』『ガンダム』『名探偵コナン』などのシリーズは、TV放送すら見ていない。幾度か、定食屋のTVなどでたまたま見て、これがそうなのか、と思ったことがある程度だ。


例外は『クレヨンしんちゃん』で、これだけは幾度も見ている。


2010年と11年にスペインへ短期の語学留学をしたのだが、かの国では、土曜日の午前中、もっぱら日本製のアニメを放送しているのだ。『Shin chan』というタイトルで人気を博していたし、吹き替えだからみんなスペイン語でしゃべっているので勉強にもなるし……というのは、ほとんど後付けの理屈で、やはり面白かったのだ。


さかのぼること、およそ30年ということになるが、1984年に、初めてイタリアを訪れて、宿泊先のTVのスイッチを入れたところ、なんと『アタックNo1』の鮎原こずえちゃんがバレーボールを抱え、日本製アニメ特有の異様に大きな目に涙を浮かべて、イタリア語でなにごとかまくし立てていた。あの時の驚きと不思議な感動は、今でも忘れられない。あのヒロインの名前を正確に書けることで歳がバレるが笑。


要するに日本のアニメは、だいぶ以前からヨーロッパに根付いていた。現在のスペイン語など、comicとかanimadosという単語はちゃんとあるのだが、mangaとanimeはそのまま通じるというくらいなものだ。日本製は別格の扱いを受けているのである。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください