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PCR検査増やせば感染者減る?

Japan In-depth / 2020年5月2日 11時1分


▲写真 米ミシガン州保健福祉省ミシガン研究所におけるCOVID-19検出テスト 出典:米ミシガン州警備隊  (Air National Guard photo by Master Sgt. David Eichaker)


 


■ 市中感染報道


また最近ではPCR検査から抗体検査に関心が移り、その上で市中感染について報道されることが多くなってきた。


まず、4月24日、慶応大学病院(東京都新宿区)が、新型コロナウイルス感染症以外の病気治療で入院した患者67人に対し、PCR検査を行ったところ、5.97%の4人が陽性だったと発表した。


次に、4月30日、久住英二医師が理事長を務めるナビスタ・クリニック(東京都新宿区・立川市)が4月21日~28日に抗体検査を実施、対象はホームページで募った20歳から80歳の男性123人、女性79人の計202人。(内訳:一般市民147人、医療関係者55人)結果、202人の5.9%の12人が陽性だったことが報じられた。内訳は、一般市民147人中7人が陽性(4.8%)、医療従事者55人中5人(9.1%)が陽性だった。



▲写真 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査試薬キット 出典:KURABO


どちらもメディアの報道ぶりは「市中感染」が拡がっていることを示唆していた。


しかし、この2つのニュースに対し、名古屋市立大学大学院医学研究科の鈴木貞夫教授(公衆衛生学)は、「代表性のなさ」「数の少なさ」を指摘する。鈴木教授は、HPVワクチンと有害事象として報告された症状との因果関係がなかったとした、HPVワクチンの安全性に関する調査研究(いわゆる「名古屋スタディ」)を監修したことで有名である。


私の目を引いたのは、慶應大学病院の発表時に、鈴木教授が寄せたコメントだ。


「偶然性の可能性排除できず」と題して、鈴木教授は、「PCR検査で正しく陽性と判定できる割合は五~七割程度と低い。約6%が陽性であれば、実際には患者の10%程度は感染者と考えるべきだ。これは公表されている感染者数から考えられる割合と比べ一千倍近く高く驚くべき数字だ。一方で、67人は都民からの無作為抽出ではなく、この結果をもって都民の10%程度が感染者ということにはならない。また数も少なく、偶然の影響も排除できない。」と報道した東京新聞にコメントを寄せた。(引用:東京新聞ウェブ版4月23日夕刊)


同時に、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は、「にわかに信じ難い衝撃的な数字だが、米国では発熱した人の検査で5%が陽性という報告があるので、海外よりも深刻だ。院内感染対策を早急に見直す必要がある。感染がまん延している可能性が高くなった今、市民の行動制限よりも、感染リスクの高い高齢者施設と病院でのPCR検査の徹底に切り替えるべきだ。」(引用同上)とコメントを寄せている。


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