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PCR検査増やせば感染者減る?

Japan In-depth / 2020年5月2日 11時1分

抗体検査を行ったナビタスクリニックの久住英二医師は、希望者202名に対する調査は、都の状況にあてはめられるかと聞かれ、「都民を代表するような集団なんてものはないんですよ。われわれにできることは何かというと、いろんな集団で検査してみて、だいたい数値が一致したら、それぐらいなんじゃない? と推定するしかないんですよ」と取材に答えている。(引用:FNNプライムONLINE)


いずれにしても、「市中感染」が拡がっていると断定するには、母数が少ないし、なにより、都民を代表している集団とはいえない。そういう意味において、この数字だけをもって「市中感染」の可能性を論じるにはかなり無理がある。


一方、4月21日、千葉大学も「十分なPCR検査の実施国では新型コロナの死亡率が低いー死亡者数からは、西洋とアジアでは感染の広がりは100倍違うー 」とのニュースリリースを出した。結論として、「新型コロナ感染症で死亡者数を減らすためには PCR検査の陽性率を低下させることが必要であり、そのためには PCR検査数を濃厚接触者などで症状が見られていない者にまで幅広く拡充させることが 急務である」と結論付けている。


これも「PCR検査を増やす派」の根拠になっているが、これも私にはしっくりこない。検査を増やすことが何故、感染爆発を防ぐことにつながるのか、がわからないのだ。番組として、そこが理論的に説明できないのなら、簡単に検査を増やせとはいえないはずだ。


繰り返しになるが、メディア、特にワイドショーは視聴者にとって影響力が強いがゆえに、より慎重に情報を検証することが求められる。


普段テレビを見ない人もテレワークなどで視聴時間が伸びていよう。報道に携わる者は、専門家がしっかり番組を検証していることを忘れてはならない。彼らはウェブ上で新聞・テレビの報道ぶりを詳細に検証し、問題点を指摘している。ある意味ありがたいことだが、果たしてどれだけの番組制作者や記者がそれをみているだろうか?番組制作者は常に謙虚に、専門家の意見によく耳を傾け、その上で、国民をミスリードしない報道を心がけるべきであろう。もとより、大切なことはこの未知のウイルスの感染拡大を一刻も早く止め、一人でも亡くなる人を減らすことなのだから。


 


注1)PCR検査


Polymerase Chain Reaction法(PCR法)という、遺伝子を増幅する方法を使い、ウイルスの遺伝子を増殖して検出しています。


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