防衛大臣囲み取材は「三密」
Japan In-depth / 2020年5月2日 23時0分
また防衛省職員や自衛官は、トップがこの有様では防衛省のコロナ対策はポーズだろう思い、自分たちも軽んじたり、あるいは士気が落ちるだろう。
このような三密状態の囲み取材で防衛大臣や防衛省幹部がコロナ・ウィルスに罹患したら、大問題だ。大臣や幹部が罹患すれば副大臣や他の閣僚、他の省庁の幹部に伝播する可能性は高い。実際に新型コロナ・ウィルス対応を担当する西村康稔経済再生相が、視察に同行していた男性職員の感染が確認されたために保健所から指導があるまでの間、自宅待機となっている。
危機管理の基本、そして当事者意識と想像力が防衛省、防衛記者クラブともに欠如している。伊藤茂樹報道官、末富理栄広報課長の責任は重い。
▲写真 末富広報課長 出典:著者撮影
「囲み」だけが問題ではない。A棟10階に所在する記者会室では以前同様に三密状態で記者たちがたむろしている。本来ならば広報課は記者室を閉鎖してテレワークを推奨するなり、何らかの方策と取るべきだがそれもしてない。新聞やテレビは国民に三密を避け、テレワークをすべしと啓蒙しているが、自分たちは例外らしい。
なぜ防衛省は記者クラブにものが言えないのだろうか。それは他の役所でもそうだが、役所と記者クラブが癒着しているからだ。
記者クラブは他の媒体やフリーランスを会見や、レクチャー、視察旅行などの取材機会から排除している。その代わり記者クラブは当局の不利益になる質問や報道をしない。つまり、記者クラブは役所の不利益になるジャーナリストを排除して、国民の知る権利から当局を守る防波堤の役割を果たし、その見返りとして役所からの情報と取材機会を独占しているのだ。報道機関というよりPR機関に近い。
しかも記者クラブの記者は大抵その分野のエキスパートではない。単に会社の辞令で配属されているだけだ。防衛省担当者というだけで軍事知識が欠如している。それで当局に忖度しているだからまともな質問ができるはずがない。会見は馴れ合いの場となっている。
先に安倍首相の記者会見で質問がすべて事前に提出されて、首相は回答の書かれたメモを見ながら答えて失笑を買い、劇団記者クラブと揶揄されたことは記憶に新しい。
多くの記者会見が役所ではなく、記者クラブが主催しているというのも我が国だけだろう。記者クラブは報道関係者の代表を僭称している一民間任意団体である。即ちPTAや町内会と同じにすぎない。
彼らは他者に選ばれたわけでも、法的な裏付けがあるわけでもない。報道関係者の代表であると主張しているは自分たちだけだ。ある意味白人至上主義のアパルトヘイトやアーリア人選民主義のナチス、自分たちが労働者の代表だと独裁を行う共産国家のプロレタリアート独裁と同じである。
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