洋画では描けない世界がある(上) 家にいるなら邦画を見よう 5
Japan In-depth / 2020年5月15日 12時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・面白い映画との幸せな出会い。邦画でなければ描けない世界がある。
・原作に忠実なハリウッドのリメイク版に抱いた「これじゃない感」。
・伝統文化のエッジの部分。「日本人だからこそ」味わえる面白さ。
当初5月の連休期間中、具体的には6日までとされていた「自粛」期間だが、首都圏と関西、それに北海道を除く39県の非常事態宣言は、5月14日夕方に解除が発表された。一方で、感染者の少ない県では、飲食店の営業などが再開されている。ただし、相変わらず「自粛」が求められることに変わりはない。
感染者数の推移などを見る限り、政策的に人出を減らしたことに、一定の効果はあったと認められるが、経済・雇用の面を中心に「後遺症」と向き合わねばならなず、大変なのは、むしろこれからだろう。
いや、すでにNHKの大河ドラマは、1カ月程度の放送休止が決まったし、わが愛読書である劇画『ゴルゴ13』など、連載52年目にして初めての中断となった。『少年ジャンプ』(こちらは、もう長いこと読んでいないが)においても、複数の連載が中断を余儀なくされたという。
TV番組や劇画の制作現場とは、典型的な3密(密閉・密着・密接)なので、早い話が感染リスクを避けるためにはやむを得ない、との判断であったようだ。大相撲の夏場所、プロ野球のオールスター戦も、すでに中止が決まった。
こうなると、家にいるなら邦画を見よう、というコンセプトで立ち上げた本シリーズも、まだまだ需要がありそうだ。誤解のないように申し添えておくが、私は決して、そのことを喜んでなどいない。1日も早く「日常」が戻ることを切に望んでいる。それが大前提だが、これを機会に邦画に興味を抱いてくださる読者が、多少なりとも増えてくれれば嬉しい、という思いを隠すつもりもない。
とは言え私の場合、読書と映画鑑賞は昔から手当たり次第だったので、監督の名前で見る映画を選ぶことは、実はあまりない。これは面白い、という映画に出会えたら、とても幸せな気分になるが、それはあくまで、作品の手柄だと考えてもいる。
すでに前世紀の話、ということになってしまったが、周防正行監督が本木雅弘と組んだ『ファンシイダンス』(1989年)と『シコふんじゃった』(1991年)という2本の初期作品とも、そのように幸せな出会いをした。一口で言えば「一周回って新鮮」とはこのこと、と思えたのである。
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