フランスで川崎病に似た症状
Japan In-depth / 2020年5月18日 14時41分
外出禁止が解除される際に、フランスは感染状況などを指針に、赤の地域と緑の地域にわけられました。緑の地域では、5月18日から中学校も第一学年(6e)と、2学年(5e)もはじまります。約85%の中学校が再開され、15万人の中学生が学校に戻る予定。その後、5月末には、中学の第3学年(4e)、4学年(3e)と、高校が再開できるかの判断がくだされます。この間に新たな感染者が増えるなど問題がおきなければ、6月からさらに多くの学校の門が開かれる予定となっているのです。
■ 事実に基づいた理解と、学校では実用的な規則を!
しかしこのように順調に進み始めている学校の再開ですが、まだまだ子供を学校に登校させることに不安を持つ保護者は多く存在します。また学校側もあまりにも厳格な規則を実行していることについて一部では問題だとの声もあがりました。
そこで、そんな様子を危惧した小児科学会からの要望が出されたのです。まず、その記事の中では、現在知られている事実として「子供たちが流行の原因ではない」こと、次に、「子供は並外れた重篤症状にはなることはほとんどない」ことが説明されました。そして、学校の対応について、「適切な感染防止対策は必要ですが、実用的な策でなければなりません。事実を元にしていない恐怖により作られた規則は、子供たちに大きな不安を引き起こす可能性があります。」と警告。実用的な規則を学校にも求めた上で、子供たちを集団生活に復帰させることを求めたのです。
小児科学会会長のクリストフ・ドラクール教授によれば、子供の感染例はそのほとんどが接触した大人からもたらされており、子供間では感染リスクが低いと説明しています。実際、外出禁止期間中にも、病院関係者の子供たちは学校に通い続けましたが、学校内での集団感染は起こっていません。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の子供が重篤な症状を発症することは非常にまれです。5月5日のフランスの厚生省のデータでは、PCR検査で陽性がでてCOVID-19の感染症が原因で入院した子供は100人未満となっており、そのうち集中治療室に入ったのは30人でした。0〜14歳の子供は入院患者全体の1%に過ぎません。15歳未満では2人が死亡していますが、他の合併症が疑われているケースでもあります。
▲写真 新型コロナウイルス感染からの予防のため、フランス政府も手洗いを推奨。出典:フランス国民教育省ホームページ
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