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フランスで川崎病に似た症状

Japan In-depth / 2020年5月18日 14時41分

学校では、もちろん予防することは必要ですが、過度なものは子供たちには有益ではありません。大人が教えるべきことは、子供が互いに遊ぶことを禁止することではなく、遊んだ後や、鼻をかんだりくしゃみをした後は手をよく洗うことを教えることなのです。集団の中で予防しながら生きていく方法を学ぶ環境を提供することが必要となってきます。


小グループでクラスを編成し、独立した机で勉強することは推奨される規則ですが、子供が一緒に遊ぶことをやめさせたり、ボールで遊ぶことを禁止するなど集団活動を妨げることは子供の現実社会を否定することになるため、その点は学校側がもっと恐れずに行動すべきだとしています。


学校を再開することは問題ありません。子供たちのリスクは少ないのです。それよりも、適切に予防しながら集団生活していく方法を学ぶことが大切なのです。


■ 気になる川崎病のような症状


しかしながら、実際に不安も残っています。それは、現在、子供たちの間で川崎病のような症状が通常よりも多く発症しており、新型コロナウイルスとの関連が疑われているからです。


フランスでは、3月1日から現在まで135症例の川崎病のような炎症性疾患が報告されています。5月13日に出されたプレスリリースでは、厚生省が、COVID-19との関連が確認されている、もしくは疑われている小児の、非定型全身性疾患の発生を積極的に注視するようフランス保健福祉局(DDASS)に要請したことを明らかにしました。



▲写真 川崎病の症状の一例 出典:Dong Soo Kim (Wikimedia Commons)


症例の半分以上(58%)がイルドフランスで発生しており、この3週間でもイルドフランスでは少なくとも24例が確認されています。これらの子供に共通しているのは、血管の炎症など心臓に関連した症状で病院に運ばれるということ。調べてみると約半数が新型コロナに感染していました。もしくは12%はすでに以前感染したことがあり抗体を持っていました。しかし、呼吸困難などこれまで報告されてきた新型コロナの諸症状は見られていません。


また、フランスで初めての死亡者も出ました。マルセイユで9歳の子供が川崎病と思われる病状が出た後に亡くなったのです。5月2日に小児科緊急外来で受診した時には、しょう紅熱に似た症状が出ていましたが、診察後は、子供は家に帰宅が許されました。そのために自宅に戻ったものの、同日の夜にひどい不調を訴え、心肺停止。そのまま救急車により搬送され病院に戻ることになったのです。診察した医師もしょう紅熱ではないことを理解しましたが、しかしながらもその時点で、川崎病であるかはまだ確信は持てなかったといいます。そして、その後治療のかいもなく残念ながら数日後に亡くなったのです。死因は心筋炎とみられています。心臓に他の疾患があったことなども疑われており、その点に関しては現在調査が進められています。新型コロナ感染の症状はありませんでしたが、抗体の検査で陽性であったことは確認されています。


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