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NYでも暴動 黒人死亡事件

Japan In-depth / 2020年6月1日 13時52分

それが今回は暴動に発展してしまった。警察車両が燃やされるなどしたが、警官が乗っている車両にモロトフ・カクテル(火炎瓶)を投げ入れた人物が逮捕されるなど暴力行為をエスカレートさせるために用意周到な者もいて、暴動の背景には扇動者の影も見え隠れする。


よく覚えている大規模な暴動といえば、何と言っても1991年のロドニー・キング事件に端を発したロサンゼルス暴動である。この事件はもはや歴史的な出来事として記憶されている。



▲写真 ロサンゼルス暴動の後 出典:Flickr; Mick Taylor


この事件も黒人であるロドニー・キングが交通違反を犯し、取り締まりの際に20人以上の白人警官に殴る蹴るの暴行を受け、その模様が携帯電話もない時代に市民のビデオカメラによって撮影されていた映像がテレビで公開されたことが発端で、黒人市民の怒りに火がついた。今回のミネアポリスの事件と同じ構図である。


結果、白人警官3人がとヒスパニック警官1人が起訴されたが、警官らによる暴行により、ロドニー・キングが重傷を負っていたにも関わらず、白人のみで構成された陪審員が、1年後の1992年4月に、4人に対して下した無罪の評決は、12000人以上が逮捕、死者を70人近く出した黒人を中心とする大暴動を発生させるには充分の内容であった。


記憶する中でニューヨークで起きた最後の暴動はロス暴動から半年以上前の1991年夏に起きた「クラウンハイツ暴動」である。この事件もロス暴動と同じく人種問題に端を発している。


ニューヨーク・ブルックリンの舗道で黒人少年がユダヤ人が運転する車両にはねられ、運転していて怪我を負ったユダヤ人男性が優先的に救助され、あとから病院に運ばれた黒人少年は死亡したため、対応が人種差別的と感じた黒人市民の怒りに火がつき、3日間に渡る大規模暴動に発展した。


あれから30年近く。


その後、ニューヨークで暴動が起きることはなかった。


おととい、所用で行った先でやたらと人が密集している一角があった。


近づいて見るとラテン系の若者が音楽をかけ、クルマを道路の中央に停め、道路を占拠して騒いでいる。ソーシャルディスタンスなど無縁の世界だ。黒人・ラテン系の若者にソーシャルディスタンスを守らないものが多い、と州知事が会見で言っていたが、それを目の当たりにした。


あっという間に交通渋滞が起き、誰かが通報したのか、ほどなく警察が到着した。


駆けつけた警察を見て逃げ出す者も入れば、わざと車両を移動させず、わざと違反切符を切られるがままにしているものもいる。


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