「元気なバカ」を見習っては? 家にいるなら邦画を見よう 最終回
Japan In-depth / 2020年6月2日 18時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・SNSがない時代にも、犠牲生む深刻被害をもたらしたデマがあった。
・匿名での誹謗中傷のうっぷん晴らしは、デマ拡散と同じつまらぬ行為。
・陰湿さがない「馬鹿馬鹿しいが元気が出る映画」から元気をもらえ。
新型コロナ禍による「自粛」もようやく一息ついたが、その途端に九州で集団感染の第2波が報告され、まだまだ先が見えないのだと、あらためて思い知らされた。
家に押し込められるストレスが、様々な事件を誘発しているようであるし、経済のことも考えると、いつまでもこんなことを続けてなどいられまい。そう思う反面、皆がおとなしく家にいるから、諸外国に比べて日本では感染率も死亡率も低いのだということは、やはり事実として認めざるを得ないわけで、痛し痒しでは済まされないジレンマである。
さて、本題。
シリーズの最終回ということで「私が選ぶ邦画ベスト10」みたいなことをやろうかと、当初は考えていた。
どのみち自分の好きな映画しか取り上げていないのだが、私は生まれつき謙虚なので、自分の嗜好が結構偏っていることは自覚しているし、そもそも映画の好き嫌いなど人それぞれでよいではないか。どんな選び方をしても異論反論炎上は必至だし笑。
したがって最終回も、
「馬鹿馬鹿しいけど元気が出る映画」
を紹介させていただくことにする。こうした映画を推奨することにした理由は、本当はもうひとつあるのだが、これについては最後に述べさせていただく。
まずは『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)。
1983年から2003年まで、講談社の『週刊ヤングマガジン』に連載されていた、きうちかずひろ氏の漫画を実写化したもの。
私立愛徳高校という架空の学校を舞台に、学力・出席日数ともに不足してダブり(留年)となった二人の「高校二年生」トオルとヒロシを中心に、狂暴かつスケベなツッパリ高校生たちの日々が描かれている。ツッパリという表現だが、連載開始時にはまだ昭和の世で、もっぱら使われていたのだが、漫画の中では「不良」と呼ばれている。その後、前世紀の終わりごろから「ヤンキー」という呼称が定着したらしい。
実写版映画(つまり、アニメもある)では、トオルを仲村トオル、ヒロシを清水宏次朗、二人が憧れる秀才女生徒役を中山美穂と、今思うとなかなか豪華なキャスティングである。ちなみに中山美穂は、これが映画初出演だとか。
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