アイスホッケーの未来に危機感 慶大OB設立チーム、アジアリーグ参入
Japan In-depth / 2020年6月4日 22時35分
アイスホッケーを続けても、引退後の仕事、セカンドキャリアに不安がある。
特に、慶大の選手たちの多くは、力があってもビジネス界でも力を発揮したいと、卒業と同時にスポーツと縁を切る人間が少ないことも、GRITS創設メンバーは、感じていた。
「その多くの才能が埋もれてしまう状況を打開したい。“その後”心配することなくプレイに安心して全力を注げる環境を作りたい」(臼井)
と、OB仲間と声を掛け合ってチーム作りがゼロから始動した。チーム名のGRITSは、「やり抜く力」という意味を持つ。
■ デュアルキャリアという、全く新しい形
GRITSは選手たちのセカンドキャリアへの不安を払しょくするために、今までのプロスポーツにない“デュアルキャリア”という、選手の在り方でチームを形成している。選手として活躍しながら、各々の企業に所属して、仕事と両立させている。
選手が所属する企業も、今までのように一社で全員という形ではなく、各選手がそれぞれの仕事の能力にマッチした企業に属する。各選手のユニフォームの広告ロゴは、各所属企業のものを背負うという形を目指している。
「選手としても一流、企業人としても一流を育てる」(臼井)
この形なら同じ所属企業で、引退後も働き続ける事が出来る。
選手も新卒、ベテランなど入団してくるタイミングやキャリアで以下のようにカテゴライズされる。GRITSによると、
・G1 勤務経験がない選手の代わりに横浜GRITSが候補を探し、企業に働きかけ、パートナー企業としてマッチングを実施。
・G2 既存勤務企業からの公認派遣。企業勤めをしながら、プロとして継続できるだけの実力を持つ選手が、所属企業と相談、業務内容を調整しながら現役選手を続けられるようにするもの。
・G3 横浜GRITSの事業に従事し、運営していく。チームのマーケティング、広報、ファンクラブ運営など。
しかし、このスポンサー探しは現時点でも困難を極める。大手から小口の個人スポンサー探しは、まだまだ続く。それ以外にもクラウドファウンディング、ファンクラブ会費、グッズ売り上げ、あらゆる手を尽くしている。参入初年度からは、スクール運営、ゲームチケットの収益などでもチーム運営費を確保し、黒字化の目標を掲げる。が、支出も多い。氷上練習のためのリンク代、防具代(スケート靴、ヘルメット、スティックなど非常に高額)補助、これに、新年度から遠征費が加わる。まだまだ茨の道は続く。
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