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拉致「棄民OK」から脱却を

Japan In-depth / 2020年6月8日 11時0分

そのためには、改めて朝鮮半島情勢に対する正確な認識を持ち、日本人拉致がなぜ起こったのか、また教訓として日本はどのような道を歩めばよいのか、国民ひとりひとりが自らを振り返る時である。


滋さんたちの無念を晴らすためには、まずめぐみさんやその他の日本人拉致被害者、およびその家族をひとり残らず取り戻すことが何より大事だ。そのため、政府に外国勢力による加害からの国民保護を、憲法レベルで義務付けなければならない。


それに連動する具体策として、「国民を守れない棄民日本」からの脱却を目指し、必要とあらば国民救出のための対外派遣も可能な「国民保護軍」を新たな陸海空軍として創設する。戦前や戦中の陸海軍のように正当化できない侵略や、満洲や南洋において敗走を重ねる中で居留民を棄てて悲惨な目に遭わせた「組織防衛のための棄民組織」ではなく、基本的に国内の国民の保護を目的とした軍事組織で人々を護り、覇権主義的な統一朝鮮や中国やロシアにはわれわれの命に指一本触れさせない強固な意志と軍事行動を国際的に示すことだ。



▲写真 金委員長 出典:Flickr; driver Photographer


 


■ 国民を護れない日本のあり方が原因


そもそもの問題として、めぐみさんら日本人被害者はなぜ北朝鮮に拉致されてしまったのか。端的に言えば、敗戦によって日本が米国をはじめとする連合国によって軍事的に去勢され、その丸腰状態を北朝鮮が最大限に自国の利益のために悪用したからである。また、北朝鮮歴代の最高指導者である金日成と金正日は、日本政府に国民保護の強い意思がないことも見抜いていた。


北が一方的に南を侵略した朝鮮戦争は、1953年に一時休戦となったが、金日成首相(当時)が率いる侵略側の北朝鮮は武力や工作による南北統一を諦めなかった。当初は韓国から拉致した人々を訓練の上、スパイとして南側に送り込んだり、そのような拉致被害者に工作員の韓国人化教育をさせて南側に浸透させていたのだが、次第に韓国側による摘発が厳しくなり、より容易に「南朝鮮」に潜入するための手段が必要となる。


そのため、情報収集や破壊工作のため韓国に送り込む多くのスパイを、北朝鮮の回し者と怪しまれにくい日本人に偽装させる決定がなされる。そのためには、日本語や最新の日本の文化習慣を工作員に教える教育係が必要であった。めぐみさんをはじめ日本人拉致被害者の多くは、スパイに日本人化を施す教育係として日本からさらわれたのである。


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