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国会で与党議員が中国論議

Japan In-depth / 2020年6月10日 23時30分

そしてさらに中国政府が近年、国連関連の国際機関のトップの地位を自国出身者や自国の影響下にある人物に獲得させるキャンペーンを進めていることを警告をこめて報告した。



▲写真 テドロス事務局長 出典:Wikimedia Commons; Frank Schwichtenberg


有村議員は中国政府の国際機関への影響力行使作戦を批判的に説明し、では日本政府はこの状況をどうみるのか、と質問した。政府側は外務副大臣の鈴木馨祐氏が「注意を払っているが、日本政府として具体的な措置はとっていない」という趣旨の答弁をした。


そこで有村議員は中国政府の「千人計画」について提起した。「千人計画」とは中国政府が各国の理工系の優秀な学者、技術者を給料面などの最高待遇で中国の研究機関に迎え、軍事関連の技術の向上などを図る計画である。アメリカでは議会上院の複数の委員会が


「アメリカの軍事技術の不当な流出につながる」として警告を発していた。


アメリカでは自国民がこの「千人計画」に加わる場合、政府への報告を義務づけている。有村議員がこの点を政府側に尋ねると、日本にはまったくその種の規定はなく、日本政府は「千人計画」と日本人研究者とのつながりなどは把握していないことが政府委員から答弁された。


有村議員は日本側での年来の軍事研究禁止についても中国の軍事脅威への懸念をにじませながら発言した。


「まさに米中が非常に神経戦を展開している中で、日本学術会議では、安全保障分野、軍事転用が可能な分野の先端技術を自己規制し、忌避されている。その一方で、日本の技術や教育資源によって培われた最先端技術を持つ研究者が研究技術を軍事転用することを是認し、すでに奨励をしている他国の国家戦略の中枢に担がれ、結果として、日本の安全を脅かしたり、日本企業の競争力、先端非術の開発力、防衛力が 不当にそがれるようなことがあったとしたら、これは国民の命と健康と財産を守る日本の力が一気に落ちることを意味します」


遠回しながら、日本の学術会議の二重基準や日本政府のその許容を批判する形となった。


そして最後に有村議員は安倍政権がなお進めようとしている習近平国家主席の国賓招聘に対して、反対の意見を表明したのだった。


「このコロナ禍においても、沖縄県の尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返し、日本の漁業者を追尾し威嚇する暴挙に出ている中国のどこが国際協調なのか、日中友好なのか、正直なところ、理解に苦しみます」


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