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対策の手際で別れた明暗ポスト・コロナの「勝ち組」メルケル独首相

Japan In-depth / 2020年6月24日 11時0分

対策の手際で別れた明暗ポスト・コロナの「勝ち組」メルケル独首相


林信吾(作家・ジャーナリスト)


「林信吾の西方見聞録」


【まとめ】


・独・メルケル首相、コロナ対策で手腕を振るい、支持率の回復に成功。


・メルケル氏、東ドイツ出身で首相まで上り詰めた。


・メルケル氏は女性政治家をファッションで評価する風潮をなくした。


 


新型コロナ・ウイルスの感染拡大は今も世界中で続いている。


世界経済に与えた打撃も、すでにリーマンショックを超えたと言われ、そのことは、米国のトランプ大統領、日本の安倍首相らの先行きにも暗い影を落としている。


昨年まで、株価の最高記録を次々に塗り替えたと誇っていたトランプ大統領は、ここへ来て支持率の急落に焦りを募らせ、6月20日には南部のオクラホマ州で、支持者たちを屋内に集めての選挙集会を強行し、その結果、参加者の中から6人の感染が確認されるという事態を招いた。


「11月に私に投票しないと、この国は大変なことになる」


と繰り返しているが、やってよいことと悪いことが判断できない大統領が再選されたら、もっと大変なのではあるまいか。


日本の安倍首相もたいがいで、まず1人10万円の定額給付金が、なかなか支給されない。6月10日段階で全世帯の35.9パーセントが受け取れたにとどまっており(総務省の発表による)、申請書さえ未だ届いていないという家庭も多い。


歴史的愚策というべき「アベノマスク」も同様で、市場へのマスクの供給が回復し、値崩れを起こし始めてから、ようやく届き始める始末。


与党内には、早期の解散総選挙を求める声も聞かれるが、これは、野党の一本化を警戒しての動きであると同時に、水面下で「安倍おろし」の動きが始まっていることを示唆していると言ってよいだろう。



▲写真 トランプ大統領、安倍首相 出典:Flickr; The White House


これと対照的に、コロナ対策の手腕を高く評価され、支持率のV字回復に成功したのが、ドイツのメルケル首相である。


ドイツでも5月までに7792人が新型コロナによって亡くなっているが(政府発表)、フランス(26,380人=同)、イタリア(26,644人=同)、スペイン(27,709人=同)と比べれば格段に少ない。


イタリアの場合、政府がはっきり「新型コロナ禍の犠牲者である」と認めない高齢者の死亡例が17,000人にも達すると言われているが、これは、ここ10年来の財政危機により医療機関の閉鎖が相次ぎ、


「すでに医療崩壊の危機に瀕していたところへ、新型コロナ禍に見舞われた」


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