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「日本初の女性首相」当分無理?(下)ポスト・コロナの「勝ち組」メルケル首相その3

Japan In-depth / 2020年6月29日 23時0分

二人に共通するのは、防衛大臣という地位にありながら、国防問題についての独自の知見というものを披露したことがない点だ。


「日本人女性として初めてカイロ大学を、それも首席で卒業した」


と称する小池都知事は、


「入学式で匍匐前進をさせられた」「第4次中東戦争を目の当たりにした」


などとさかんに吹聴し、マスコミなども、こうした経験が彼女の、憲法改正に前向きなタカ派的言動の背景だと、安易に信じ込んでいたようだが、私は複数のジャーナリストや中東問題に詳しい元外交官から、いずれも事実とは考えにくい、との証言を得ている。


稲田幹事長代行はもともと弁護士だが、若者に自衛隊体験を課すアイデアを披露し、


「今の草食系と呼ばれる若い人も、自衛隊に入れば背筋がびしっと伸びる」


などと発言してヒンシュクを買った(徴兵制度の肯定ではない、と釈明はしている)。


さらに言うなら、1年生議員当時の小池都知事はミニスカート、防衛大臣時代の稲田幹事長代行は網タイツがトレードマークであった。


女(らしさ。あるいはそうしたファッション)を売り物にしつつ、男性社会を旧弊だと批判して、女性がトップに立つべきだと主張するのは、矛盾していないだろうか。連載第1回で、メルケル首相のファッションにこだわらない姿勢を「ダサかっこいい」と好意的に紹介したのも、話がここにつながってくる。実は男性にも通じる話で、本当の洒落者というのは自分のスタイルが確立しているので、スーツはすべて同じデザインだったり、同じ柄のネクタイを何本も持っていたりするものなのだ。


都知事選の対抗馬として名前が取り沙汰されるなど、小池都知事のライバルと目されていたのが丸川珠代・自民党都連女性局長(参議院議員)である。



▲写真 丸川珠代・自民党都連女性局長 出典:丸川珠代Twitter@marukawatamayo


小池都知事と同じ兵庫県出身で東大卒、元TV朝日アナウンサー、環境大臣経験者と共通点も多いが、彼女の場合、2004年にニューヨーク勤務から帰国して以降、6度の国政選挙に際し、一度も投票していなかった。そればかりか、2007年に事前投票しようと新宿区役所に出向いた際、選挙人名簿に名前がないことが分かったという。選挙権がないまま参議院選挙に立候補していたのである。


そんな調子であるから、彼女の発言の中で、もっとも世間の耳目を集めたのは、安倍首相を厳しく追及する野党議員に対して、


「愚か者め!」


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