弱者の味方は都をどう変える?東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】
Japan In-depth / 2020年7月1日 19時40分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・山本候補、俳優から政治活動家。参院当選後、「れいわ新選組」を立ち上げ。
・現場感をもち、理念が一貫性している。都政から国を変えると明言。
・コロナ災害の取り組みや、東京防災庁の設置には疑問が残る。
特別編の第3弾、今回は山本太郎候補を見ていきたいと思う。本連載でも2度にわたって書いた注目の人物でもある。日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のメロリンQで一躍注目を浴び、俳優として数々のドラマ・映画で個性派俳優として活躍。東日本大震災を受けて、反原発運動に参加。メディアから干された状態になり、政治活動家に。2013年の参院選で当選後、反原発活動や様々な政治の常識に疑問を投げかけ注目を浴びる。「れいわ新選組」を立ちあげ、現在は党の代表。
誤解をされながらも地道に活動して、現場や街頭活動で直接市民と対話。意見が違う人からの罵詈雑言に対しても、リスペクトをもって対応する気配りが、政治理念にもつながる「包摂性」を感じさせる。「諦めるな、生きよう」、というメッセージで自己責任論に疑問を提示する。
ロスジェネ世代の代表である山本候補の政策を見ていこう。
1 山本氏の政策(HP)
HP
選挙公報
に明らかになっている。
2 素晴らしい点
メッセージは「いま政治に足りないのは、あなたへの愛とカネ」と謳い、15兆円でコロナ損失を底上げすることが大きなインパクトを与えている。
第一に、現場感、現場での実践をもとにした知見が深いことである。
・フードロスをなくし、貧困などで十分な食料を得られない人に提供する「フードバンク」の活動を都として後押しするとともに、「地域で子どもを育てる」ための支援体制を構築するために、「みんなの居場所」をインフラとして整備
・単なる「子ども食堂」ではなく、高齢者、シングルマザーなど誰もが気軽に立ち寄れる「居場所」づくりを都が支援
・「みんなの居場所」は、空き家などを活用して整備(現在、都は子ども食堂の運営を支援する自治体に補助を行っているのでそれを拡充します)
・障がい者の関係する部署には必ず障がい者を責任者として配置
現場での課題を踏まえて「みんなの居場所」によって地域で孤立する子どもを救うという改善策を提示している。その問題意識は「貧困問題を「子ども」「高齢者」「女性」と分断しない」こと。リアリティ・現実を見てきたところはさすがの一言である。
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