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黒人殺害事件と米独立記念日

Japan In-depth / 2020年7月9日 11時19分

黒人殺害事件と米独立記念日


柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)


【まとめ】


・米・独立記念日、「密」を避けた様々なイベントが開催。


・BLM運動などで破壊行為、商業施設は建築用の合板で店舗を覆う。


・アーティストたちは板張りの通りをアートギャラリーに。


 


先週末の7月4日はアメリカでは最も重要な祝日である「独立記念日」であった。


1776年のこの日、まだイギリスの植民地であったアメリカ大陸東部の13の植民地(のちに「独立13州」と呼ばれる)の代議員からなる大陸会議で、アメリカが植民地支配から脱却する旨の、独立の宣言が採択された。


日本に黒船が来航するより80年近く前の出来事である。


植民地の独立を認めない、宣言以前からのイギリスとの戦争はその後も続き、1783年のパリ条約でイギリスと和平が結ばれるまで実際の独立にはそれから7年かかった。独立宣言直後の戦闘で大陸軍(アメリカ軍)はニューヨークから敗走し、ニューヨークの土地にはイギリス軍が駐留し続けていたのである。


宣言から244年目の今年7月4日。


この日はアメリカに1年を通して最も「祝日らしい祝日」である。


行楽地へ繰り出す人もいれば、家族や友人と楽しむイベントの定番はバーベキューである。


昼からは恒例のホットドックの早食い大会がテレビで全国中継され、下らないと思いながらも見入ってしまう。一緒に見て喜ぶかと思いきや、6歳の息子には不評である。


この大会、内容の軽薄さとは裏腹に、1916年(大正5年)から続く歴史あるイベントである。4人の移民が「愛国心を示すために」ホットドッグの早食い大会を開いたのが起源とされる。以来「愛国心」がキーワードで毎年大会は独立記念日の7月4日に開かれている。


ちなみにだが、2001年の大会ではそれまでの早食い本数の記録を2倍に塗り替え(10分間で50本)日本人が優勝、アメリカ人のど肝を抜いた。2014年からは女子の部で、日系人がずっと優勝している。


夜には各地で打ち上げられる花火大会。中でもニューヨークの花火大会は有名だ。独立記念日、と言えば、この花火大会を指す、と言っても過言ではないかもしれない。この花火大会も独立宣言翌年の1777年から今日まで続く、伝統行事である。


いつもの年なら数十万人の人々が集って盛大な打ち上げ花火を鑑賞するが、今回は、人々が「密」に集まらないよう、独立記念日前の数日に分けて、市内各所の「秘密の場所から」小規模の花火が毎日打ち上げられるという対策が取られた。


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