NY、失業者急増と治安悪化
Japan In-depth / 2020年8月24日 0時26分
柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)
【まとめ】
・NY、コロナで飲食業従事者が大量失業。
・銃犯罪が頻発。
・治安も徐々に悪化し始めている。
アメリカでは9月が年度の頭で日本の4月に相当する。
ニューヨークの公立校は、州知事の号令のもと、低い感染率(現在1%以下)を背景に、いつもの年より遅い9月10日からまずはオンラインで授業を開始、その後、希望する家庭の子供のみ、週1~2日程度、学校に通うことができる予定だ。
学校の再開は経済の再開とも密接に絡んでいて、それだけに、ニューヨーク州、ニューヨーク市とも、当初から慎重に事を進めてきた。ニューヨーク市内だけで122万人以上の児童生徒とそれに伴う親などが一斉に動き出す。感染拡大にふたたび繋がりかねない、という批判が強くある中での学校再開が物議を醸さないわけがない。だが、学校再開を経済の再生の嚆矢(こうし)としたい当局の思惑も理解できる。
小学生がいる我が家の一番の関心事はその学校再開だが、それ以上に、気になる話がある。
毎日報道される銃犯罪のニュースだ。
情報によれば、犯罪とはほぼ無縁だった我が家の周りでも事件が頻繁に起こっているらしい。
ニューヨーク市は先週末2日間だけで、32件の発砲事件があり、43人が負傷。昨年同時期の発砲事件は4件だったというから、いかに異様な状況であるか。トランプ大統領は事件の増加を止められないニューヨーク市長をツイッターで批判。市長が対応できないのならば「我々がやる」と連邦による介入すら匂わせている。
▲写真 筆者の携帯に次々と入ってくる銃撃事件の速報。この日は昼前〜夕方5時までの間に市内で重大銃撃事件のニュース4件。7月以降、毎日この状態 出典:筆者提供
昨日になって知ったことだが、実際おとといの夕方4時ころ、息子が通う学校の近くでティーンエージャーによる撃ち合いがあり、3人が負傷、一人が重体だという。
もはや夜中にさえ外出をしなければ良い、という考えも甘く思えてきた。
人々の暮らしが目に見えて変わってきている。
▲写真 人気の少ない夜の地下鉄の入り口 出典:筆者提供
我がアパートの隣に、ナンシーさんという、とにかくおしゃべり好きな一人暮らしのおばさんが住んでいる。南米移民で我が家の子供達をことのほか、かわいがってくれる。出掛けに捕まると世間話から5分は開放されないのだが、そのナンシーさんがコロナ禍が始まって以降、貴重な近所の情報源となっている。
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