総裁選候補の公約ここが問題!
Japan In-depth / 2020年9月13日 18時0分
外交では、「科学技術、文化芸術等の日本が誇るソフトパワーを活用して国際社会における「分断から強調へ」を進めると共に、SDGsをはじめ国際社会におけるルール形成、核軍縮・不拡散を主導します」とHPの公約にある。
余りに漠としていて何をしたいのか分からない。「日本が誇る」ソフトパワーを活用するというが、国が鳴り物入りで作った官民ファンド「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構)が全く上手くいっていないのは周知の事実。そもそも政府がソフトパワーの海外進出にどれだけのことが出来るのか、との疑問は当初から出ていた。
思うに、「ソフトパワー」は国が推進するものでは無く、民間が考えるべきものだ。日本のブランディングをより一層高めるには、地道な民間企業の努力と、なにより“時間”が必要なのは衆目の一致するところだ。岸田氏の「ソフトパワーと国際社会のルール形成、核軍縮・不拡散」というロジックが全くわからないのは筆者ばかりではあるまい。
どのような外交を目指すのか、安倍外交との違いはなんなのか、見えてこない時点で既に不安になる。
■ 石破氏:拉致問題解決するか?
▲写真 石破茂元幹事長 出典:さかおり
その点、今回総裁の目が無いに等しい石破氏は思い切りがいい物言いが目立つ。コロナ特別措置法は改正すべき、「森友学園」問題は再調査する、(新政権発足後直ぐにあると噂される)衆院解散・総選挙に反対、と、スタンスが明快だ。
外交でも岸田氏と比べ、石破氏のそれは具体的だ。総裁選特設サイトを見ると、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」が目を引く。
実はこの構想、石破氏の持論でもある。米、ニュージーランド、豪州のANZUS同盟を念頭に、それに多くの国が参加して集団安全保障のシステムを構築する、というものだ。
これに菅氏は反中包囲網になる、と反対したが、米中の軍事バランスが過去のものとは大きく変容していることや、習近平政権の露骨な拡大主義を見れば、日米同盟だけで日本の安全保障を守りきれないのは明白だ。こうした問題提起が他の2候補から出てこないのは残念だ。
ところで石破氏は、北朝鮮による日本人拉致問題で「東京と平壌に連絡事務所を開設して拉致問題の解決を目指す」としている。
しかし、「連絡事務所」による合同調査は、「被害者死亡の確認作業」に終わる可能性が高い、との懸念が出ている。横田めぐみさんらの死亡を通告してきている北朝鮮が、合同調査を通して今更生存を認めるとは到底思えない。むしろ、日本側がこれまでの北朝鮮の主張を認めざるを得なくなる危険性がある。
この記事に関連するニュース
-
岸田氏の「議連」旗揚げで政界に広がる"波紋" "ポスト石破"での再登板狙いの臆測も
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 10時30分
-
高市早苗氏はいつ「タカ派政治家」になったのか…「ポスト石破」に一番近い女性政治家の"克服すべき弱点"
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 8時15分
-
高市早苗氏でも、小泉進次郎氏でもない…「余命は長くて6カ月」石破政権の次を狙う"自民党のキーマン"
プレジデントオンライン / 2024年11月7日 9時15分
-
総選挙、だれが笑って、誰が泣いたか 損得番付:得るは失うのもと、失うは得るのもと
Japan In-depth / 2024年11月2日 19時30分
-
旧安倍派を敵に回して、国民民主・玉木氏にすがりつく…石破政権がわずか1カ月で「泥舟」になった理由
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 17時15分
ランキング
-
1194キロ衝突死、懲役8年判決…当時少年の男に危険運転致死を適用
読売新聞 / 2024年11月28日 15時40分
-
2闇バイトで金銭トラブルか 留学生を監禁・恐喝未遂容疑で中国籍5人逮捕 警視庁
産経ニュース / 2024年11月28日 13時30分
-
320歳未満の警察官数十人が飲酒 「指導」の処分 上司らが口頭などで注意 大阪府警
ABCニュース / 2024年11月28日 13時37分
-
4「学校だより」でイラストを無断使用、賠償金17万6000円は教員が全額負担
読売新聞 / 2024年11月28日 9時0分
-
52歳長女への傷害致死罪などに問われた父親 逆転無罪 傷害、傷害致死、強制わいせつ致傷の全ての罪認めず 大阪高裁
ABCニュース / 2024年11月28日 12時27分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください