菅首相のリーダーシップに期待【菅政権に問う】
Japan In-depth / 2020年9月24日 11時0分
▲写真 桜を見る会 平成31年4月13日 出典:首相官邸
■ 菅内閣の取り組む政策
本題に戻ると、官僚機構を活かすも殺すも、首相のやる気次第だということだ。だれが証拠隠滅やら法律の拡大解釈などしたいものか。内閣への忠誠心が失せるどころか、サボタージュに走るものだって出てこようというものだ。「面従腹背」は官僚の専売特許でもある。
ただし。霞ヶ関は世界一のシンクタンクと言われている。それを使いこなして来なかった政治家が問題なのだ。
菅総理はとりあえず「改革をやる気」はあるようだ。曰く、「携帯電料金の引き下げ」、「行政のデジタル化」、「不妊治療の保険適用」。。。
どれも国民にとって悪い話ではない。ただし、どうも個別最適な感は否めない。「携帯電話事業」に関して言えば、5Gで海外勢に後れを取り、既に6G開発競争のまっただ中だ。これまで中韓勢のリードを許してきたがどう挽回するのか?同じ事は「EV(電気自動車)」でも言える。HV、PHVの投資回収にいそしむトヨタに遠慮したのか、EV量産化で日本は世界に先鞭を付けたにもかかわらず、いつの間にかその座を米テスラに奪われている。こちらも正しい政策が取られてきたのか大いに疑問だ。
「エネルギー問題」はどうだろう。東日本大震災後、「原発再稼働問題」はほっぽらかし。一向に動かせない原発の安全対策に膨大なお金が投入されている一方、再エネの大量導入推進で電気代は上昇し、国民の生活を圧迫している。そして化石燃料の中東依存度は高止まりし、火力発電に頼っている事を世界から非難されている。こうした現状をどう変えるのか、前政権は真剣に取り組んできたとは思えない。
「行政のデジタル化」にも政府はこれまた全く本気になってこなかった。「マイナンバーカード」が普及しなかったのは、国民のせいでも何でも無く、政府が本気にならなかったからにすぎない。「私たちにとってメリットがわからない」これに尽きる。「マイナポイント」5000円などというせこいプロモーションで一体誰がカードを新たに作るのか?そもそも政治家はかのカードを作るのにどれだけめんどくさいか、知っているのだろうか?「デジタル庁」を作ればいいというものではないのだ。
▲図 マイナポイントHP 出典:総務省マイナポイントサイト
「不妊治療の保険適用」も既に医療従事者から色々な意見が出始めている。広範な議論が必要だろう。一方で晩婚化、非婚化、セックスレスなど、少子化の問題は奥が深い。が、一番根源的な理由は、経済的なものだろう。世帯収入が低く、到底子供を持てない、という声がどれだけ大きいか政府は分かっているのか。
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