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危機管理意識欠ける防衛大臣と記者クラブ

Japan In-depth / 2020年10月10日 12時25分

危機管理意識欠ける防衛大臣と記者クラブ


清谷信一(軍事ジャーナリスト)


【まとめ】


・岸大臣が記者クラブと三密・馴れ合いオフレコ取材を継続。


・自衛隊員のコロナ罹患続く中、危機管理意識が欠如。


・当局と癒着して危機管理を危うくする記者クラブの存在は問題。


 


最近トランプ大統領が新型コロナに罹患し、また陸上自衛隊の朝霞駐屯地でも約30名の集団罹患が起こっている。現場では対策に気をつかっているが、隊員のコロナ罹患は続いている。また自衛隊は医療関係者に防疫を指導したり、ダイヤモンド・プリンセス号に派遣されPCR検査などに協力してきたりもしている。


岸防衛大臣は依然自衛隊での罹患者の発生が続いていることに対して、新型コロナ対策を厳とせよと大臣通達を出している。


だが、その岸大臣に新型コロナ対策に関する危機管理意識と当事者意識が欠除している。防衛記者会(クラブ)と三密状態のオフレコ取材に応じているのだ。



▲写真 新型コロナウイルスの集団罹患が起きた陸上自衛隊朝霞駐屯地 出典:Ebiebi2 (パブリック・ドメイン)


防衛省の大臣定例記者会見は火曜日、金曜日に行われる。主催は防衛記者クラブである。従来会見は防衛省A棟10階の会見室で行われていたが、新型コロナ対策として、現在では11階の大会議室、第一省議室で、大臣や記者の間隔を大きくとった形で行われている。A棟入館時にはマスクの着用や手指消毒が求められている。


問題は会見後に大臣が廊下で、三密状態で「囲み」とか「ぶら下がり」とよばれる記者クラブのオフレコ取材に応じていることだ。大臣と記者との距離は1メートルもなく、記者は団子になって大臣を取り巻いている。9月29日の囲み取材では岸大臣はマスクすら着用していなかった。


これは河野太郎大臣の時代から続いている。筆者は報道室のスタッフに5回以上止めるように進言したが全く聞き入れられなかった。このため筆者は10月6日の定例記者会見で岸大臣にこの件を質問した。


 


Q: コロナ対策についてお尋ねします。先ほどトランプ大統領の話であるとか、朝霞で30人ぐらい罹患者が出たという話があったのですけれども、いつもこの会見の後に記者会の皆さんと囲み取材を受けてらっしゃるかと思うのですけれども、あれは先週の火曜日お見かけした限り、非常に「3密」で、大臣、マスクもされていなかったと。それで、そういう形で隊員に示しがつくのか。もしくは、大臣通達で厳しく言うといいますけれども、トップがこのような調子で、下の隊員に示しが本当につくのでしょうか。いかがでしょうか。


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