米大統領選とメディア その5 日本の識者の偏向報道依存
Japan In-depth / 2020年10月21日 23時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・3大メディアは民主党支持。トランプ陣営は名誉棄損で提訴。
・バイデン氏「認知症」疑惑報道で主要メディアの対応分かれる。
・米主要メディアの報道に依存すると、米政治を誤認する恐れ。
トランプ再選運動本部はまずニューヨーク・タイムズに対する名誉棄損の民事訴訟をニューヨーク州最高裁判所に起こした。
この訴状は以下の主張から構成されていた。
(1)ニューヨーク・タイムズの2019年3月27日付が掲載した同紙元主筆で長老記者のマックス・フランケル氏が書いたコラム記事は事実に反し、トランプ大統領とその再選運動本部に多様な被害を与えた。
・89歳のフランケル記者の記事は『本当のトランプ・ロシア交換条件』という見出しで、『2016年の選挙ではトランプ陣営とプーチン独裁政権の間でロシア側によるクリントン候補を不利にする工作と引き換えに新トランプ政権がロシアの好む政策を取るという約束があり、トランプ陣営もそのことをよく認識していた』と報じていた。
・だがこの記事の内容は100%まちがいであり、中傷だった。ニューヨーク・タイムズ自体がその疑惑に実態がないことを知っており、その記事はトランプ大統領の評判を傷つけ、再選への活動に阻害を与えることを意図していた。
(2)ニューヨーク・タイムズはトランプ氏に対して一貫して極端な偏見と憎悪を抱き、同氏の2020年の大統領選での再選を阻むために事実に反する中傷的な記事類を載せることで選挙に影響を及ぼそうと試みてきた。
・同紙は2016年の選挙でもクリントン候補を公式に支持する一方、トランプ氏に関しては事実に反する報道を続け、一般有権者のトランプ評をきわめて悪くすることに全力を投入した。
・同紙はクリントン候補への投票を一般読者に呼びかけるような実態の報道や論評を2016年の大統領選の期間、継続することによって、異常に強い党派性の偏向を露呈した。
(3)同紙は長年にわたり共和党非難、民主党支援の基調を保ち続けてきた結果、トランプ非難で示したような偏向が通常のあり方となってしまった。
・同紙はここ60年ほどの間、大統領選挙ではすべて民主党候補を支援してきた(社説で特定候補の支援を表明する)。
・同紙は同様にここ60年ほど大統領選挙ではすべての共和党候補に批判的なスタンスを取り、客観性をまったく欠いてきた。
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