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米大統領選とメディア その5 日本の識者の偏向報道依存

Japan In-depth / 2020年10月21日 23時0分

以上の趣旨のこの訴訟は究極的にはニューヨーク・タイムズに対して損害賠償を求めていた。同紙の偏向報道によってトランプ陣営は被害を受けてきたとする主張だった。





同紙はこの訴訟に対して「トランプ選対はアメリカの報道の自由に保障された個人のジャーナリストの意見表明を抑えこもうとしている」と反論し、法廷で戦う構えをみせた。





トランプ再選運動本部は続いてワシントン・ポストとCNNテレビに対しても同様の名誉棄損の訴訟を起こした。





トランプ陣営と反トランプ・メディアの戦いはこれほど激しいのである。





ワシントン・ポストなどこれら3大メディアとも社主から経営陣、報道陣まで年来の民主党支持者である。毎回の大統領選挙では必ず民主党候補へのメディアとしての公式の支援を表明してきた。





これらメディアの反共和党の起源はやはりニューヨークやワシントンという都市部での読者層、視聴者層の民主党傾斜に加えて、アメリカのジャーナリズムの背景はリベラル系民主党系の思潮が顕著だという歴史的な要因が大きいだろう。 





トランプ政権対主要メディアの衝突に関連して7月に入って、またまた興味ある論議が起きた。





トランプ大統領に対抗する民主党のバイデン候補に不利な情報が生まれたとき、その民主党候補を強く支援する反トランプ・メディアがどう対応するか、という点をめぐる大きなテストケースだった。





論議の起源は77歳のバイデン氏の認知症の可能性についてだった。





アメリカの有権者たちの間で、バイデン氏が認知症を病んでいると思っている人が全体の4割近くいるという世論調査結果が出たのだった。バイデン氏が事実関係と異なる発言をすることはたびたび指摘されてきた。





アメリカの世論調査機関では最大手のラスムセン社は6月29日、バイデン候補に関する新たな全米世論調査の結果を発表した。全米約1000人の有権者を対象に6月25日から28日までの調査実施だった。





同社の発表によると、「バイデン氏がなんらかの認知症を病んでいると思う」と答えた人が全体の38%だった。「そうは思わない」が48%、「わからない」が14%となった。





ラスムセン社はアメリカの世論調査機関のうちでも最大手で、大統領への支持、不支持の調査を毎日、実施している唯一の組織である。2016年の大統領選でも一貫して世論の動向を最も正しく伝えたとして評判が高い。





▲写真 ペンシルベニア州ゲティスバーグで演説するバイデン前副大統領(2020年10月7日)。「認知症」の可能性を疑う向きが少なくない。 出典:Joe Biden facebook



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