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青森八戸は無人機の拠点となる

Japan In-depth / 2020年11月7日 17時37分

青森八戸は無人機の拠点となる




文谷数重(軍事専門誌ライター)





【まとめ】





・海保は海自八戸基地で無人機の実証試験をおこなっている。





・実用型配備も安全性、基地の余裕、交通から八戸となる。





・青森県の三八地方に無人機雇用が生まれる可能性もある。









海上保安庁は八戸で無人機の試験運用を始めた。防衛省の海自航空基地を拠点とし米製機シー・ガーディアンを用いた実証飛行を実施している。





ただ、その将来の運用拠点は未定としている。無人機の実運用が決定したあとで新規に検討決定する。海保はそのように述べている。





その将来の拠点はどこになるか?





やはり海自八戸となる。なぜなら安全性、基地の余裕、交通の便といった理由で無人機運用に最も適するためだ。





▲写真 八戸で報道公開されたシー・ガーディアン。海保向けを意識して沿岸警備隊組織を意味するレーシング・ストライプが入っている。大ぶりの格納庫は必要はなく、今回も背後のアムルス倉庫が格納庫として貸し出されている。筆者撮影。



■ 海保による実証試験





海保の実証試験は10月15日から始められている。計画では約1ヶ月、予備日を含めれば11月15日まで行う予定である。





拠点は青森県にある海上自衛隊八戸航空基地である。基地北東を海保が間借りする形だ。そこから太平洋や日本海の自衛隊訓練空域まで自力飛行した上で各種の試験が行われている。





使われる無人機はGA-ASI社(General Atomics Aeronautical Systems, Inc.)のシー・ガーディアンである。プロペラ機だが動力はジェットエンジンを使うターボプロップ機だ。通常の飛行機同様に滑走路を使って離着陸する形式である。





特徴は自律性と長距離飛行にある。離着陸は完全自動で行われる。また衛星通信での指示により八戸以外の飛行場にも離着陸できる。飛行距離は最大9000km以上、時間では30時間以上に及ぶ。





ちなみに無人機の操作や整備は同社が実施している。基地の駐機場脇にプレハブを設置し同社社員が詰めて各種作業を実施している。





海保が無人機を検討する目的は「遠距離での海洋監視能力確保」である。海保の航空機には飛行距離や滞空時間の制約があった。それを解決するために無人機を導入する。よく言われる省力化は目的ではないとのことだ。(*1)





▲写真 列線作業。機体は少人数で運用可能。駐機場での各種作業を担当する列線要員は3人でよい。筆者撮影。



■ 実用機も八戸に配置される





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