大阪都構想、挫折の理由(下)コロナに敗れたポピュリズム その5
Japan In-depth / 2020年11月30日 11時4分
結果はご案内の通りだが、橋下氏自身は、メディアの取材に対し、非常に残念ではあるが、と前置きしつつも、
「二重行政の解消には、ある程度成功してきた。その結果、若い人たちが<今のままでいいやん>と思ってくれたとすれば、政治家として本望」
などと述べた。これを負け惜しみと受け取るか、いさぎよいと受け取るかは人それぞれだろうが、私個人としては、海の向こうで、証拠もないのに「選挙は不正」だと言い続ける醜悪な権力者の姿を見てきただけに、なかなかのグッドルーザーぶりではないか、と思った。さらに個人的な感想を述べると、前稿の冒頭で触れたような、東京が大震災などの被害に遭った場合を想定して、首都機能のバックアップということが多少なりとも考慮されていたならば、全国レベルでの支持を集められた可能性もあり、そうなれば結果はずいぶん違ったのではないかーーこの点だけは、いささか残念に思う。
一方で、まったく度し難いのは、僅差での否決であったことや、事前の街頭演説では推進派の方が、圧倒的に聴衆の数も多かったし応援の声も聞かれた、などという理由で、
「不正投票だったに違いない」「調査すべきだ」
と言いつのる人が、ネットの一部に存在することだ。おそらくは「最後は必ずトランプ大統領の逆転勝利に終わる」と未だに言い張る人たちに影響されたのだと思うが。
なにを信じるかは、人それぞれの自由である。
しかしながら、誰でも広く意見を発信できるネット社会においては、
「自分の信じたいものしか信じない」
という態度は、決してよい結果を招かない。自身にも社会にも害悪をもたらす可能性があるのだという、当たり前のことに早く気づいてほしいものだ。
トップ写真:都構想演説 出典:大阪維新の会Facebook
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
斎藤元彦氏を見捨て、"無所属の対抗馬"を送り出して大惨敗…兵庫県知事選挙で撃沈した「本当の敗者」の正体
プレジデントオンライン / 2024年11月21日 16時15分
-
斎藤元彦氏の兵庫県知事返り咲きで、本人に「謝罪した元市長」と「批判し続ける元府知事」
週刊女性PRIME / 2024年11月19日 6時0分
-
与野党、SNS対策見直し 既存政党離れに広がる懸念
共同通信 / 2024年11月18日 18時20分
-
ついに関西で「維新離れ」が始まった…大阪で全勝した日本維新の会が、大阪以外で全く通用しなかったワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 16時15分
-
「玉木雄一郎首相説」が爆誕する体たらくぶり…万事休すの石破茂首相を待ち受ける「最悪のシナリオ」
プレジデントオンライン / 2024年10月31日 17時15分
ランキング
-
1【小沢一郎氏インタビュー】自民党幹部に伝えた石破政権の宿命「連立をきちんと組まない不安定な政権では有権者に迷惑、短命に終わる」
NEWSポストセブン / 2024年11月28日 7時12分
-
2「学校だより」でイラストを無断使用、賠償金17万6000円は教員が全額負担
読売新聞 / 2024年11月28日 9時0分
-
3猪口邦子議員宅の火災、警視庁などが実況見分 死亡2人の身元確認進める
産経ニュース / 2024年11月28日 11時21分
-
4「子供の小遣い程度」「到底納得できない」旧ビッグモーターが12万人へのお詫びに選んだ品
週刊女性PRIME / 2024年11月28日 7時0分
-
5北条氏政の墓所で卒塔婆を燃やした男、神社でご神木に火をつけた疑いで逮捕…樹齢250年の木から白煙
読売新聞 / 2024年11月28日 7時18分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください