深刻な東南アジア汚職 女性への性強要も
Japan In-depth / 2020年12月4日 18時0分
日本の公選法ほど厳しい法的規制がない東南アジアの国だが、今回の調査結果では金銭による投票依頼が存在していることを裏付ける形となった。
今回の調査で多くの回答者が「汚職や腐敗はもはや日常生活の一部となっている」との認識が示され、社会全体にそうした汚職・腐敗態勢が色濃く残っている現状が浮き彫りとなった。
■現職閣僚を汚職で逮捕したインドネシア
「2019年中に公共サービスを受けるにあたって賄賂を支払ったか」という質問には実に24%のタイ人が「払った」と回答、以下フィリピン人の19%、インドネシア人とマレーシア人がそれぞれ13%となっている。
TIでは公的機関の中で「警察と裁判所の汚職体質が深刻」と指摘、特にタイ国民の「警察、裁判所」への信頼度が低いとしている。
しかし東南アジアでは「袖の下」が一種の「社会の潤滑油」として機能しているという側面が否定できないのが現状である。
国民が生活する上での役人への袖の下や、交通違反の手続きの煩雑さを回避するための小銭、さらに選挙での投票依頼はそうそう目くじらを立てなくてもいいのではないか、という見方も依然として残っている。
しかし権力者が権力を利用した大規模な汚職には各国とも厳しく、インドネシアは11月25日に米ハワイから帰国したエディ・プラボウォ海洋水産大臣という現職閣僚を国際空港出口で身柄拘束して逮捕した。
5月から解禁されたロブスターの幼生の海外輸出に関連して輸出業者から約98億ルピア(約7200万円)の賄賂を受け取っていたという容疑で「国家汚職撲滅委員会(KPK)」によって逮捕されたのだった。
こうした大物の大型汚職、腐敗の摘発にはインドネシア国民がこぞって拍手喝采を送ったが、日常生活での贈収賄は決してなくならないし、摘発の対象にもなりそうもないというのが現状といわざるをえない。
もちろん東南アジアの中にもシンガポールのように交通違反で停車を求めた警察官に現金を渡そうとした瞬間に「贈賄容疑」で検挙される国もある一方で、インドネシアのように同様のケースで差し出した現金をさっとポケットにしまうか「少ないぞ」とにらむか、の違いといえないだろうか。
トップ写真:悩む女性(イメージ) 出典:Pixabay; Permanentka
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