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日本の対中政策の無惨な失敗

Japan In-depth / 2020年12月26日 19時0分

第二には日本のODAは中国の民主化を促進もしなかった。実際の効果はむしろ逆だった。中国共産党政権の独裁と弾圧は日本のODA開始時よりも終了時のほうがひどかった。なにしろ日本からの援助は中国側の民間ではなく、すべて政府へと供与され、政府の権限を強くすることを助長していたのだ。





第三には日本のODAは中国の軍拡に寄与してしまった。中国政府に国家開発に必要な資金を毎年、巨額に与えることにより、軍事費に回せる資金に余裕を与えてしまった。しかも日本のODAで建設する空港、鉄道、高速道路、通信網などは軍事的な効用も高かった。





そしてその結果、世界の軍事強国となった中国は日本への敵性の強い軍事政策をとるようになった。日本の固有の領土の尖閣諸島を武力で奪おうとするようになった。日本を射程におさめた各種のミサイルを2000基も保有するようになった。日米共同防衛の施策にはすべて反対した。





まさに日本はみすからに襲いかかる凶暴なモンスターの育成に寄与してしまったのだ。日本側のその愚かで危険な対中政策が今回の外交文書の解禁でも改めて立証されたのである。





なお私は日本のこの対中ODA政策の錯誤を『ODA幻想』(海竜社)という本にまとめて2019年に出版した。





▲図 『ODA幻想』(出版:海竜社、古森義久著) 出典:海竜社



トップ写真:天安門事件(1989年) 出典:flickr; chi na (Public domain)




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