「バイデンの米国」とどう向き合う?(上)【2021年を占う!】日米関係
Japan In-depth / 2021年1月2日 12時39分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・米国でバイデン新大統領が就任、日本はどう向き合うか?
・「環球時報」、「バイデンに過大な期待を寄せるべきではない」と報ず。
・バイデン政権、日本に経済的軍事的見返り求めてくるかも。
読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。
2020年、日本では首相が交代したが、今年はいよいよ米国で新大統領が就任する。
年が明けてもまだ「トランプ大統領の逆転勝利」を信じている人たちには。せめて縁起のよい初夢でも見てください、とでも言う他はない。もはや現実は変えられないのだ。
昨年暮れは、この連載も米大統領選挙一色となってしまったが、私としては本意ではなかった。トランプ陣営や信者たちの往生際の悪さには、まったく辟易させられたし、同時に、ジョー・バイデン(フルネームはジョセフ・ロビネット・バイデン・ジュニア)という政治家にも魅力を感じていなかったからである。最初に、この選挙に関しては「中立」の立場であったと明記しておいた。
その後の展開は読者ご案内の通りだが、騒ぎをフォローするのと並行して、2010年代すなわちオバマ政権の副大統領だった当時までさかのぼって、英語メディアに掲載された論評記事を検索してみた。あくまでも米国の記者たちの主観的によるものだが、
「オバマと同様の理想主義的傾向があり、言うことは立派だが実行力には乏しい」
といった評価が確立しているらしい。大体において米国大統領は、自分より目立ちそうな人間を副大統領に抜擢しない傾向があるのだとか。
バイデン新大統領自身は、アジア系で褐色の肌を持つ女性と、まさに「初尽くし」の副大統領を起用したが、これは自身が高齢であるため、2023年の選挙で民主党の大統領候補に含みを持たせた人事だろうと見る向きが多い。
この、4年後に再び大統領選挙が行われるいうことが、
「バイデン新大統領の米国と、日本はどう向き合ってゆくべきか」
という今回のテーマについて考える際の、キーワードとなるのである。
WHO(世界保健機構)などの見立てでは、新型コロナ禍への対処で、いち早くワクチン接種を開始した米英やEU諸国では、2021年中にひとまず収束=感染拡大に歯止めがかけられる見込みがあるが、日本は2022年夏までかかる可能性が大であるそうだ。
もしもその通りなら、バイデン新大統領の任期すなわち今後4年間というスパンで見た場合、間違いなく新型コロナ禍対策に終始するだろう。別の言い方をすれば、
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