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「バイデンの米国」とどう向き合う?(下)【2021年を占う!】日米関係

Japan In-depth / 2021年1月2日 23時0分

言うまでもないことだが、これが今年中に達成できると考える人はいないだろうし、また菅首相にそれだけの政治的才覚があると考える人も、さほど大勢はいないと思われる。





しかしながら、それが議論から逃れてよい理由になるはずもない。国民にとって有益でない首相ならば、どの道長くはもたないだろう。





前回も述べた通り、バイデン大統領の任期など4年で終わるかも知れないが、東アジアの平和という命題は、10年、20年というスパンで見てゆかねばならないのである。





新型コロナ禍によって、世界中の人々が、大きく生活を変えることを余儀なくされた。安全保障問題だけが例外であり得るなどと誰が考え、またそのような考え方が説得力を持ち得るだろうか。





最後になるが、今年は丑年である。





前回すなわち12年前の丑年と言うと2009年。自民党が総選挙で大敗し、民主党政権が誕生した年だ。





その前と言うと1997年だが、英国で政権交代があってトニー・ブレア首相が就任した他、アジアにおいては、香港が返還されるなど、南北朝鮮で大きな政治的変動があった。韓国では金大中が大統領選挙を制し、北朝鮮では金正日が朝鮮労働党書記長に就任したのだ。奇しくも両名ともに故人であるが。





丑年は大きな変化が起きるというジンクスもあるようだが、今年中に大きな変化が起きる可能性は、さほど高いとは思えない(天変地異はいつ起きるか知れないが)。





問題は次の10年、あるいは12年というスパンで物事を考えられるか否か、そうした視点を多くの有権者が持てるか否か、ということなのだ。





アジア太平洋地域の安全保障が、2020年代を通じてのテーマになるとすれば、それに対応する議論は、すぐにでも始める必要がある。





(上はこちら。このシリーズ全2回)





トップ写真:オーストラリア海軍(RAN)、インド海軍(IN)、米国海軍(USN)との多国間演習「MALABAR2020」 2020年11月3日~6日 出典:海上自衛隊




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