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多国間主義復活を期待【2021年を占う!】国際関係

Japan In-depth / 2021年1月3日 21時0分

中国やロシアは、キューバなどと並んで2019年10月に人権理事会に再選されているが、アジア・太平洋グループから立候補したサウジアラビアは落選した。米国のバイデン次期大統領は、人権重視の外交に転換することが期待されているため、中国やロシアとの間で人権をめぐり緊張が高まることが予想される。ただ、人権はそれぞれの国の内政と密接に絡み合っているため、権威主義的体制の国々に対する人権外交には困難が伴う。





米国の多国間主義への復帰は、そのまま国家間の緊張や対立の解消に繋がるわけではなく、気候変動など国益が合致するところでは協調し、ワクチン外交などでは競争し、人権問題などでは対立を深めるといった多重な国際関係の一年となろう。国際情勢が複雑に揺れ動く中で、国連は国際社会の「共通の課題」を模索して、9月の次の総会で多国間主義の再生にどのように貢献できるか提言することになる。





日本は、ようやく温暖化対策に本腰を挙げたが、ワクチン開発やデジタル化ではかなりの遅れをとり、安倍政権から引き継いだ「開かれたアジア・太平洋」路線を継承してはいるものの、多国間外交を推進する確固たる方針は見えていないように思われる。





日本は、2022年に再度安全保障理事会(安保理)の非常任理事国に立候補するが、国連を通じた国際平和と安全保障促進でも明確な独自の外交政策を打ち出しているわけではなく、また、安保理改革を実現する現実的政策への転換をしているわけではない。WHO改革や途上国へのワクチン供給などに向けた国際保健分野での貢献やWTO改革、軍縮、さらにSDGsで後退している途上国への支援など、多国間主義復活を促進するための積極的な政策が望まれる。





トップ写真:パリ協定採択 COP21本会議(パリ 2018年) 出典:UNclimatechange




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