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東京コロナ診療目詰まりの原因

Japan In-depth / 2021年1月31日 19時0分

東京コロナ診療目詰まりの原因




上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)





「上昌広と福島県浜通り便り」





【まとめ】





・コロナ感染軽快患者の転院先が見つからない。東京は深刻。





・東京は病床少ない。大病院は多いが、400床未満の中小病院が不足。





・都心一等地も地方都市も同じ診療報酬。都心部病院は経営難も。









新型コロナウイルス(以下コロナ)の感染が軽快した患者の転院先が見つからない。コロナ診療が目詰まりを起こしている。





深刻なのは東京だ。1月26日、毎日新聞は、『新型コロナ回復患者、転院先「難民」に 院内感染懸念で断られ』という記事を掲載し、東京大医学部附属病院の岡本耕医師の「新型コロナの退院基準を満たしても、なかなか受け入れる病院が見つからない」というコメントを紹介した。東大病院は重症8床、中等症等30床を運用しているが、状態が改善した患者を転院させられないため、新規入院患者を断わることが多いという。





重症のコロナ患者は兎も角、回復期なら中小病院でも対応できるはずだ。医療機関が多い東京で、なぜ、こんなことになるのだろう。





それは、そもそも東京には病床が少なく、特に中小病院の病床が不足しているからだ。表1をご覧いただきたい。東京の人口1,000人あたりの一般病床数(精神病床は除く)を示している。東京の病床数は5.8床で、全国平均(7.0床)以下だ。さらに格差が著しい。23区に限れば、もっとも多い千代田区(35.3床)と最小の練馬区(1.8床)では約20倍の差がある。





▲表1 東京都の人口千人あたりの一般病床の状況 作成:医療ガバナンス研究所 山下えりか



東京の医療機関の特徴は大病院が多いことだ。400床以上の医療機関(以後、大病院と呼ぶ)が運営する病症数は3万5,521床で、全病床(8万296床)の44%を占める。これは全国平均(34%)を大きく上回る。





東京には13の医学部があり、虎の門病院や聖路加国際病院、国立国際医療研究センターなどの有名病院が多い。大病院のウェイトが高くなることは想像に難くない。





問題は、コロナの回復期などを診療する400床未満の病院(以下、中小病院とする)が足りないことだ。このような病院は、怪我や胃腸炎などの「ちょっとした病気」で、紹介状なしで受診することができる。手術を受けるために遠方から受診する大病院と違い、患者の多くは地元住民で、地域に欠かせないインフラだ。





東京での、このような中小病院の病床数は4万4,775床で、人口1,000人あたり3.3床だ。これは全国平均(4.6床)の7割程度だ。





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