米政権、イランとの対話模索?
Japan In-depth / 2021年3月2日 18時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2021#9」
2021年3月1-7日
【まとめ】
・バイデン大統領、シリアの親イラン勢力が使うインフラへの空爆了承。
・米政権、ジャーナリスト殺害作戦をサウジ皇太子が「承認」していたとの報告書公表。
・米、イランとの対話を模索の可能性。
先週は突っ込み所満載の一週間だった。2月25日、バイデン大統領はシリア国内の親イラン勢力が使うインフラに対する空爆を了承した。バイデン政権では初の軍事行動だ。
また、翌26日にはDNI(米国家情報長官)室が、2018年10月在イスタンブール・サウジ総領事館内でに起きたサウジ人ジャーナリスト殺害作戦をサウジ皇太子が「承認」していたとする報告書を公表した。更に、25-26日にオマーン湾ではイスラエルの貨物船が何者かに攻撃されている。中東では一体何が起きているのか。
これら3つの事件が無関係とは言い切れない。むしろより大きな一連の動きの一局面かもしれない。どういうことか。先ずは関連事件を時系列順に振り返ってほしい。共通するキーワードは「米国とイランの対話の可能性」だ。これらが如何に相互関連するのか。詳しくは今週の産経新聞コラムに書いたので、是非ともご一読願いたい。
-2020年-
11月03日 バイデン大統領候補の勝利
11月25日 イラン大統領、「状況がトランプ政権以前に戻れば解決は容易」と発言
11月27日 テヘラン市近郊でイラン核開発の中心人物が何者かに暗殺される
12月02日 イラン国会、ウラン濃縮活動の即時拡大などを求める法律を可決
-2021年-
1月20日 バイデン政権発足
1月27日 イスラエル軍参謀総長、「イラン核合意への復帰は誤り」と発言
2月05日 バイデン政権、イランが支援する「フーシー派」の「テロ組織」指定を撤回
2月15日 イラク・クルド自治区の米軍基地に親イラン勢力がロケット弾攻撃
2月24日 イラン、IAEAの「追加議定書」の暫定履行を停止すると発表
2月25日 米国、シリア東部でイランが支援する武装グループに対し爆撃を実施
2月26日未明 オマーン湾でイスラエル企業所有の貨物船が攻撃を受ける
2月26日 米情報機関、3年前のサウジ人ジャーナリスト殺害作戦をサウジ皇太子が「承認した」とする報告書を公表
▲写真 イラン ロウハニ大統領 カザフスタンのアクタウで開催されたカスピアンサミットにて(2018年8月12日) 出典:Mikhail Svetlov/Getty Images
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