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五輪損切り、消費税凍結を選択肢に(上)「コロナ敗戦」不可避か その5

Japan In-depth / 2021年5月28日 23時0分

話を戻して、英国においても、ワクチンの大規模接種は目覚ましい。ボランティアに筋肉注射の速成訓練を施し、医療現場の人手不足を補填したのだ。また、EUから離脱した「けがの功名」という要素もあった。離脱によって貿易などはダメージを受けたが、ことワクチンに関しては、EU加盟国として割り当てを待つのではなく、独自に自国製ワクチンを大量に調達して、前述のように大量動員したボランティアの手で接種を勧めたのだ。





かくしてロックダウン(都市封鎖)はどんどん緩和されて行き、観光旅行などもほどなく再開される見込みであると報じられている。





ただし、米英の観光客は、日本へは来ない。





米国東部時間の24日に、国務省は日本における感染者増に歯止めがかからない事態を受け、海外渡航警戒レベルを最も厳しい「4」に引き上げた。事実上、渡航中止の勧告である。日本側は、





「米国選手団の五輪参加には支障はないと考えている」  (丸川担当大臣)





などと強気の姿勢を崩さず、米国政府も五輪への選手団派遣は問題ない、との追加声明を発しているが、これはまあ、今後の日米関係に配慮した、一種の外交辞令みたいなものではあるまいか。





そうまでして、東京五輪は必ず開催すると言い張る最大の理由は、もしもここで開催権を返上したりすれば、IOCから莫大な損害賠償を求められ、投資分が無駄になることと併せて、とてつもない損失が生じるという理由だと言われる。





英米のマスメディアも、このあたりのことは承知していて、米国のワシントンポスト紙などは、もはや「損切り」でよいではないか、といった論旨のコラムを掲載した。





次回、莫大な損害賠償は本当に生じるのか、その場合「損切り」と感染かう代のリスクはどう考えるべきなのか。また、ワクチンも足りなければ二度目の給付金も出ないという日本の現状は、どのように打破して行けばよいのか、紙数が許す限りではあるが、できるだけ緻密に考察してみたい。





(その1,その2,その3,その4)





トップ写真:新型コロナワクチン接種のポップアップサイトがオープンしたグランドセントラル駅。7日間の無料交通パスがもらえる。(アメリカ・ニューヨーク州マンハッタン 2021年5月12日) 出典:Spencer Platt/Getty Images




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