比、南シナ海で対中監視強化も効果限定的
Japan In-depth / 2021年5月29日 12時49分
■関心は中国より次期大統領選へ
中国は1999年以降、この海域に独自の同じような漁業モラトリアムを出しており、フィリピン政府の抗議もいってみれば「毎年の恒例行事」となっており、実質的効果のない応酬と国内からも批判を浴びている。
こうした中、2022年に予定される次期大統領選挙ではドゥテルテ大統領の長女で南部ミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長が現時点で最有力候補と目され、再選禁止で大統領選に出馬できないドゥテルテ大統領自身も副大統領選への出馬も取りざたされている。もし実現すれば、親子の正副大統領(娘が大統領で父親が副大統領)誕生という異例の政権が発足することになる。
▲写真 在ダバオ総領事館開館式典への出席等のため訪問中の河野太郎外務大臣とサラ・ドゥテルテ・ダバオ市長と会談を行った。(フィリピン・ダバオにおいて 2019年2月10日) 出典:外務省
地元報道ではドゥテルテ大統領は副大統領選への出馬に関して「立候補は神の意思次第」とまんざらでもない姿勢を示すなど、もはや最大の関心は中国問題でも、遅れているコロナ感染対策でもなく「自身の将来」になっていると厳しい批判も起きている。
こうしたフィリピン・ドゥテルテ大統領の姿勢や対応は、ますます中国を増長させて南シナ海で一方的に権益を確保と領土拡張に邁進させる一因ともなっているのが現状だ。
トップ写真:ダナンで開催されたAPECリーダーズサミットに出席する、フィリピンのドゥテルテ大統領(2017年11月10日) 出典:Mikhail Svetlov/Getty Images
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