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「コロナ・オリパラ・菅政権-人生は能力?ギャンブル?」続:身捨つるほどの祖国やありや 6

Japan In-depth / 2021年6月10日 23時0分

私はそんな風に人生を考えたことはなかった。しかし、確かにそうかもしれない。少なくとも運という要素は排除できない。





それにもかかわらず、能力で出世を遂げた人間は、自分の力へのおごりを持つ。能力を磨かなかった人間への軽蔑はその心理の裏側にいつも張り付いている。





「GDPの規模と配分のみを関心事とする政治経済理論は、労働の尊厳をむしばみ、市民生活を貧しくする。」(サンデル 302頁)









▲写真 ロバート・F・ケネディ元司法長官(1968年4月1日 ニューヨーク市) 出典:Santi Visalli/Getty Images





「ロバート・F・ケネディはそれを理解していた。」とサンデル氏は言う。そして「『仲間意識、コミュニティ、愛国心の共有――われわれの文明のこうした本質的価値観は、ただ一緒に財を買い、消費することから生まれるのではありません。』その価値観を生むのはむしろ『十分な給料が支払われる尊厳ある職です。働く人が『自分はこの国をつくるのに手を貸した。この国の公共の冒険的大事業に参加した』と、コミュニティや、家族や、国や、それに何よりも自分自身に向かって言えるような職なのです。』」と引用を結ぶ。(サンデル 302頁)





その後、サンデル氏は「そのように語る政治家は、いまではほとんどいない。」と呟く。(303頁)





「市場社会では、稼いだお金と共通善への貢献の価値を混同する傾向になかなかあらがえない。」(サンデル 304頁)「もっぱら(あるいは主に)出世したいだけを目指していると、民主主義に必要な社会的絆と市民的愛着を培うのが難しくなってしまう。」(サンデル 318頁)





私たちは、そこにいる。





そういえば、「より速く、より高く、より強く」というのは、オリンピックのモットーだった。どうやら釈迦にもキリストにもムハンマドにも解けなかった問題なのかもしれない。





トップ写真:五輪聖火(2020年3月25日 福島県いわき市) 出典:Clive Rose/Getty Images




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