米軍空母、日本周辺にいなくなる
Japan In-depth / 2021年6月12日 19時0分
この展望についてマクガマリー提督は前記の論文で以下のような懸念を述べていた。
「アフガニスタンの米軍を短期間に全面撤退させるという作戦には当然、海と空からの擁護が欠かせず、中東での空母の存在が必要となるが、そのための空母を西太平洋から動かし、その結果、西太平洋に空母が不在となることは危険だ」
「西太平洋に空母が皆無という状態はアメリカの地域的な海上戦力の低下となり、南シナ海、東シナ海、台湾海峡などでの中国の軍事脅威への抑止力の減少となり、中国を利することになる」
「バイデン政権のアフガニスタンからの米軍全面撤退は本来、中国への米軍全体の抑止態勢の強化という戦略意図を持つのだろうが、皮肉にも先を急ぐ撤退計画と空母の移動で西太平洋に空白が生まれ、対中抑止態勢が弱まることとなる」
以上のようにこの空母の移動と不在は日本の安全保障にとっても大きなインパクトを持ちうる米軍の動きだといえよう。日本国内で話題となってもよいバイデン政権の新作戦でもあるのだ。
**この記事は日本戦略研究フォーラムの古森義久氏の連載コラム「内外抗論」からの転載です。
トップ写真:米豪共同軍事演習に参加する米空母ロナルド・レーガンの甲板 オーストラリアタウンズビル(2017年7月14日) 出典:Ian Hitchcock/Getty Images
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