菅内閣支持率最低に 短命政権の可能性強まる
Japan In-depth / 2021年6月23日 11時0分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・菅内閣の支持率が急落。衆院選の結果次第で短命政権に終わる可能性。
・五輪中止の判断も。コロナ禍で行う意味はあるか、無観客に意義はあるか。
・五輪「盛り上がり」を選挙にプラスと絡めるなら見当違いも甚だしい。
菅義偉内閣の支持率が5月にまた急落した。最近発表された6月の支持率もほぼ急落のままだ。昨年9月に政権がスタートしてから支持率は低落を続け、5月の世論調査では政権発足以降で最低となった。また東京オリンピック・パラリンピックについても「中止または再延期すべきだ」が6割を超え、菅内閣の政権運営に対しこれまでにないほど厳しい評価だ。9月以降に想定される衆院選の結果次第では短命政権に終わる可能性が強くなってきた。
毎日新聞と社会調査研究センターが実施した5月22日の全国世論調査によると、支持率は前回4月の40%から31%へと暴落、「不支持」率は59%で前回の51%から8%も上昇した。菅政権は発足時に60%台半ばの支持率で安定政権となるかにみえたが、直後から支持率が落ち始めた。昨年暮れから「不支持」が「支持」を上回り、以後支持率は下がり続け、遂に不支持率が上昇し続ける結果となっている。支持率が30%を切ると政権は終末を迎えるのが過去の例だが、菅政権は早くも崩壊の危機に瀕しているといえる。
不人気の最大の理由は、他の先進国、中進国などに比べ日本はコロナ対策が後手後手にまわり国民の不安が増す一方だからだろう。政治の最大の使命は国民の生命と安全・安心を守り生活水準を維持、向上させることだが、コロナ不安は一向に収束せず、感染者や失業者が増えて生活苦にあえぐ人が依然ジワジワと拡大しているのだ。
菅首相はもともとコロナ危機対策より経済の活性化を重視する姿勢をみせていた。首相就任直後に観光、旅行などを刺激する「Go To トラベル」や「Go To イート」の旗振りを任じていた。
さらに首相の経済ブレーンたちは、日本の新規感染者数は海外に比べると極めて少なく、東京五輪に影響することもないと主張していた。コロナのなかにあっても五輪を成功させ、経済の活力を引き出したいと期待し、五輪成功後の衆院選にはずみをつけ勝利したいと目論んでいたのだ。これに対し多くの人は「国民の命や暮らしを守ることと五輪関係の両立はムリだ」と述べ、五輪の中止を迫っていたが、菅首相は「東京五輪の主催者は国際オリンピック委員会(IOC)と東京都などで、政府は直接判断する立場にはない」と逃げを打って、“国としては安全、安心な大会とするよう全力を尽くす”と繰り返すだけだった。しかし、一年前の延期決定は安倍首相と菅官房長官の時代に政府が決断したものだった。国家の大事に首相が関与しないなどということはあり得ないのだ。
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