パン屋、2代目の覚悟「ふじ森」代表藤森もも子氏
Japan In-depth / 2021年6月24日 10時47分
実は「ナショナル田園」のすぐ裏に父が1999年に玉川田園調布にオープンした「エスプリ・ド・ビゴ」があった。その店が町の再開発で閉店になると決まった時、「ナショナル田園」から、敷地内にパン屋を開いてくれないか、と声をかけられたのだ。この話にのった藤森氏。
「田園さんは父の店をそのまま誘致したかったのかもしれません。でもわたしは父の店のブランドは使わない、と決めていたので新しい名前でオープンすることにしたのです」
その名も、「ル トーキヨー フレンチベーカリー エスプリ (LE TOKYO FRENCH BAKERY ESPRIT) 」
▲写真 「ル トーキヨー フレンチベーカリー エスプリ (LE TOKYO FRENCH BAKERY ESPRIT) 」の前にて藤森もも子氏 ⓒJapan In-depth編集部
でも、ちゃんと「エスプリ」の名前は入っていた。
2号店にはパンを焼く工房も作った。
「1号店はパンを仕入れて売るだけだったので、どこか『パン屋ごっこ』みたいな感じがあって・・・なので、2号店ではどうしても工房を作りたかったんです」
職人は、父の前の店から連れてきた。
▲写真 「ル トーキヨー フレンチベーカリー エスプリ (LE TOKYO FRENCH BAKERY ESPRIT) 」店内 ⓒJapan In-depth編集部
土曜の朝訪れると、早い時間からお客さんが引きも切らない。聞くと父の店にお客さんが来てくれているのだという。
「わたしが中学生のころ父の店でバイトしていた時いらしていた方のお嬢さんがご結婚されて地元を離れたけれど、お子さんを連れて実家に帰ってきて、親子3代でパンを買いに来てくれる。本当にうれしいですね」
かの地に根付き、本当に愛されているのだな、と感じた。それが「パン屋」というものなのかもしれない。
瞬く間に2店舗のオーナーとなった藤森氏。今後の戦略を聞いた。
■ デジタルマーケティングへ
実は筆者が「ふじ森」を知ったのはSNSだった。藤森もも子氏のInstagramやTwitterを見て興味を持ったのだ。最初はパンというよりは、発信の面白さに惹かれた。
藤森氏はゴルフウェアやギアのメーカーのPRも仕事としてやっている。「ふじ森」の公式Instagramアカウントとは別に、ゴルフ関係のアカウントもある。経営者自らが広告塔(ちと、表現が古いが・・・)となり、絶え間なくSNSで発信している。それが多くのフォロワーの共感を呼び、自分自身と会社のブランディングに寄与している。
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