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中国とはどんな国家なのか その3 人権弾圧と影響工作の秘密

Japan In-depth / 2021年7月27日 7時0分

中国当局は新疆ウイグル自治区での治安取り締まりの状況や治安維持組織の求人募集の状況を公表することもある。その内容から新疆ウイグル地区での人権抑圧の拡大が期せずしてわかることがある。





外部の観察者は中国当局が人権問題とは別個とみなしているような分野でとった言動から人権抑圧の現実を知ることもできるのだ。中国当局は人権抑圧の情報や法規に関して、不透明性を保つが、外部の賢明な研究者たちは関連の動きからその実態を知ってしまうこともよくあるのだ。





各国の民間の人権擁護団体も同様に中国当局が人権弾圧に関連あるとは意識していない措置の数々からその弾圧の実態を知ってしまうという実例が多々、起きるようになった。





アメリカやその他の各国で中国の人権弾圧に継続的な注意を向ける多数の団体も、たがいに連帯を保ちながら、その種の監視活動を続ける一方、独自の手段で情報を集めている。たとえば「ジェームズタウン財団」、「フリードム・ハウス」、「人権ウォッチ」、「新疆犠牲者データベース」といった団体である。





中国政府は全体として自国内での人権弾圧に関する情報自体については完全な不透明、秘密性を保ち、もし外部から自国の人権弾圧を指摘するような情報が流れてくれば、すべて「虚偽」だとか「反中プロパガンダ」として排除する。





だからこそ外部の民間の人権擁護機関の活動はきわめて重要となる。





当ヘリテージ財団がこの報告書作成のための調査を進める過程でも、チベットや香港での人権弾圧に関する情報は新疆の情報よりずっと少ないことが判明した。





その理由は新疆での人権弾圧が最も苛酷であり、その歴史も長いことや、香港やチベットへの国際的な関心が新疆に対するそれよりも低いこと、などが考えられる。だがその不均衡の是正は将来の課題である。





また中国共産党政権がすでに長年、全土で実施してきた政治犯の再教育と称される強制収容や強制労働についての情報がアメリカ側の官民にはまだまだ少ないことも指摘される。さらに中国当局が具体的な人権弾圧の措置をとる際に、その動機や理由はなんなのか、これまでよりも深い調査や研究も必要だろう。





以上が中国の人権に関する共産党政権の不透明性についての報告である。





次は中国政府による対外的な活動の一部の不透明性についてである。この活動は「影響工作」と呼ばれる。アメリカも日本も当然、その標的となる。





【影響工作】





影響工作、あるいは影響力行使作戦というのは一国の政府が他の諸国のその国への認識をよくするという目的で実行する種々の活動である。中国の場合、自国のグローバルな影響力を強めることがその最終目的だといえよう。





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