中国とはどんな国家なのか その5 対外投資の表と裏
Japan In-depth / 2021年8月1日 19時0分
現在では各国のなかで数か所の著名なシンクタンクや調査研究所が中国の公式海外投資への多様な追跡調査メカニズムを機能させている。それぞれが少しずつ異なる重点や角度により調査を続けているのだ。
そうした追跡調査の一部は中国の投資があれば、世界中どこでもグローバルに追いかける。他の調査では特定のカテゴリーの中国の投資を追い、別の調査は地域別に焦点をしぼっている。
中国の対外投資を現在、調査している主要なアメリカの機関としては、「アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)」、「ボストン大学グローバル開発政策センター」、
「スティムソン・センター」、その他がある。
中国政府が公表する自国の対外投資についてのデータは当然ながら現実との間に大きなギャップがある。とくに中国側が外国に提供するローンについては公式のデータの公表は皆無である。融資の条件などについてはなんの情報も公表されないのだ。
中国政府の対外投資のうち防衛に関連する資金の流れはとくに不透明となっている。それにくらべれば一帯一路や中国政府の海外援助はいくらかはより透明だといえる。
外部の民間の調査活動は中国の一帯一路、対外投資、融資、援助の各プロジェクトの透明性を増すことには役立ってきた。とくに海外投資は受け入れ側でより綿密な調査が行われることになる。しかしこの種の民間の調査でも中国の防衛関連の対外投資はきわめて不透明のままである。
全体としてこの種の調査は中国の対外投資に関して「なにが」と「どこで」が主体である。その投資が受け入れ側の国、さらにはその周辺地域にどんな影響を与えているか、というような点についてはほとんど注意が向けられていない。
これからはとくに中国の投資が受け入れ側の国の統治、行政機関、国民一般にどんなインパクトを与えているかの調査の必要性が高まるだろう。
(つづく。その1、その2、その3、その4)
トップ写真:第2回「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムに出席した習近平国家主席(2019年4月27日) 出典:Photo by TPG/Getty Images
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1「また慶應SFCか」話題のPR会社社長も…なぜ似たような人物が生まれる?元SFC生が語る内実
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時51分
-
2東京・五反田メンズエステ店強盗未遂 手配の27歳容疑者の動画公開
毎日新聞 / 2024年11月27日 16時0分
-
3兵庫・斎藤知事 PR会社社長の投稿「事前に聞いていなかった」
毎日新聞 / 2024年11月27日 15時58分
-
4斎藤元彦知事の代理人、PR会社経営者の投稿は「事実を盛っている」…広報全般を任せた「事実ない」
読売新聞 / 2024年11月27日 20時27分
-
5「地面師」に10億円の賠償命令 積水ハウスが詐欺被害 東京地裁
毎日新聞 / 2024年11月27日 14時1分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください