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仏、アフガニスタン難民の対応

Japan In-depth / 2021年8月21日 18時0分

同じくフランス南東部ニースのクリスチャン・エストロジ市長に至っても、ラジオRTLの番組で、アフガニスタンからの難民受け入れについて、ニース市民の安全が懸念されるため断固として拒否する姿勢を示した。ニースでは、2016年7月14日にニースの海岸沿いにある遊歩道プロムナード・デ・ザングレにて、群衆にトラックが突入し、86人が死亡するテロ事件が起こっている。その経験を踏まえ、「難民を受け入れたくない」としているのである。しかしながら、実際のところは受け入れを拒否できるかは不確かである。





■ アフガニスタンからの難民申請者の状況は?





現在の、フランスにおけるアフガン難民による申請状況や、その後の判断はどのようなものとなっているのだろうか?





フランスで政治亡命を求めるアフガニスタン人による申請は、2020年には10364件あり、そのうち64.6%が無国籍者保護局(Ofpra)によって受理された。2021年は現在までに5700人が申請しているが、今年はアフガニスタンの状況が悪化していたため、89%の申請が受理されている。





しかしながら、申請が受理されても、自動的に難民認定が付与されるわけではない。2020年の場合、86%は、「補助的保護」の資格のみだ。補助的保護というのは、状況がジュネーブ条約に記されている難民としての定義を満たしていないが、死刑や拷問を受ける危険や、紛争により生命の脅威にさらされている民間人という根拠が証明された人に提供される資格である。





「難民」の場合は、10年有効な滞在許可書が発行され、問題がなければそのままフランスに滞在できる。しかし、「補助的保護」の場合は、最長4年有効の滞在許可書が発行されるのみとなっており、永久的な滞在が保証されるわけではないようだ。





■ アフガニスタンからのフランス人及び関係者の退避状況





アフガニスタンの首都カブールでは、フランス人及び関係者の退避作戦が行われている。





カブールのフランス大使館の建物内に避難していたフランス人とアフガニスタン人は、火曜日にタリバンとの同意の上、11人のフランス国家警察特別介入部隊(RAID)の護衛を伴い350人近くが空港に移動した。





その後、17日火曜日には、第一陣としてチャーター機(軍用機)がパリ=シャルル・ド・ゴール空港(ロワシー)に41人のフランス人を運び、18日水曜日には、通訳、料理人、運転手など、フランスのために働いていた現地民を含む、216人(フランス人25人、アフガニスタン人184人、その他7人)、19日には、138人(フランス人13人、アフガニスタン人124人)がフランス向かった。到着した避難者は、ワクチン接種が終わっていない者は隔離後、ワクチン接種者はそのまま、各受け入れ先に向かう。





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