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菅首相、なぜ任期満了解散にこだわる

Japan In-depth / 2021年8月29日 12時29分

しかし、総裁選終了時には、衆議院議員の任期切れまで1カ月をきっており、任期満了選挙の手続きにはいっていることが想定される。そのまま選挙というのが常識的な流れだ(公選法によると任期満了の30日以内に選挙を行う)。





しかし、首相がどうしても解散権を行使するなら、任期満了選挙の公示後でも衆院を解散することができるという規定(公選法31条5)を利用して解散を断行、あらためて公示しなおし、投票日を大幅に先送りするという奇策がある。





また、「任期満了前の30日以内」に国会が開会されているか、閉会後23日以内ならば、閉会日から「24日以後30日以内」に投票を行うという規定もある(31条2)。





にわかに理解するのが難しいが、菅首相が投票日を最大限先送りしようとするならば、憲法54条の「衆議院が解散された日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を招集しなけらならない。」という規定を使う可能性もある。





すなわち、現衆院議員の任期満了日、10月21日を臨時国会の最終日とし、その日に解散すれば、選挙はそれから40日後、投票日を日曜日とすると11月28日まで先送りすることが可能になるわけだ。





しかし、これらのシナリオはあくまで、菅首相が9月29日の総裁選で再選された場合だ。もし、菅首相以外の人が新総裁に選出されたなら、まったくあてはまらず、事態はより複雑になる。





新総裁を首相に指名する臨時国会をすぐに開くのか、新総理の指名を見合わせて現内閣で総選挙を戦い、投票後の特別国会での首相指名まで待つのか、そもそも新総理・総裁が任期満了選挙、解散による選挙、いずれを選択するのか(拓殖大、丹羽文生教授)など不確定要素を指摘する向きが少なくない。ただただ総裁選挙の結果を見守るほかはない。





■論戦なき菅再選なら国民が失望?





総裁選についてひとこと。





菅首相のほか岸田文雄前政調会長ら何人かが名乗りをあげている。コロナ対策が急がれるときに政争などーと眉を顰めるむきもあろうが、総裁選無投票にならなかったことは歓迎すべきだろう。





安倍首相が退陣を表明した昨年、二階幹事長が後継総裁として菅支持を打ち出すと、各派が雪崩をうってそれに同調した。





それから1年。各メディアの調査で支持率が軒並み30%を切り、菅続投を望まない有権者が圧倒的に多い中で、昨年と同じ構図が繰り返されるなら、自民党は有権者の失望を買うだろう。





現時点ではいぜん、菅有利といわれるが、各派若手を中心に、菅支持に異論が渦巻いているともいう。 





国を思う活発な論争を展開してほしい。





トップ写真:菅義偉首相 2021年06月17日(木) 出典:Photo by Issei Kato - Pool/Getty Images




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