いまだ行われる生活保護費の水際対策
Japan In-depth / 2021年9月3日 16時0分
私も、一向に誠意を持った対応が得られない担当者に腹立たしく思いながらも、Kさんは回復施設でプログラムを受けることも就労も難しいこと、いきなり生活保護を切られたら行くあてもないこと、再犯防止の観点からもせめて次の落ち着き先場所を探して欲しいことなどを訴えたが、「こちらでは、区内の回復施設に入寮しないのなら、回復する気がないと判断し生活保護を切ります」の一点張りであった。全く取り付く島がなく、人命も再犯防止も考えないこの職員の態度には心底怒りと驚きを感じた。
結局、その日はどうすることもできず、私たち3人は区役所をすごすごと引き上げるしかなかった。Kさん自身は他区に移って生活保護を取ろうと考えていた。そのためには区の手続き上最低でも1週間は空けなくては、次の区で生活保護を取ることができない。Kさんは、「どうしても回復施設には行きたくない。1週間ホームレスをしてどこかの区で生活保護を申請する」と固く心に決めていて、「とりあえず回復施設に入ったら?」と提案しても頑として受け付けて貰えなかった。
ここで難しいのは「だったら1週間だけホテルか実家に泊めてやればいいじゃないか」と思われるかもしれないが、ギャンブル依存症者の場合そういった金銭的支援をしてしまうと元の木阿弥になってしまうのである。「困れば結局親がなんとかしてくれる」と、どこかで例外を作ってしまうと、なし崩しになってしまうのがギャンブル依存症者とその家族の関係なのである。ご家族はこういった時、断腸の思いで「支援しない支援」を実践し続け、巻き込まれないようにしなくてはならない。これは家族にとっても厳しい試練であり、家族にも自助グループや家族会の繋がりが必要なゆえんである。
私としても、なんとかKさんの支援先を見つけ回復して貰いたいのだが、依存症の回復施設ではプログラムにのれない、普通のグループホーム等ではギャンブルが止まらない、最悪の場合グループホームで窃盗などの事件を起こす可能性も否めないとなると、受け入れ先はおいそれとは見つからない。また次の区で生活保護が受けられたとしても、劣悪な環境に入れられてしまえば、Kさんはとてもじゃないが暮らしてはいけない。そこでKさんに「以前の様に一人暮らしをしながら生活保護を受給して通院する?」と聞くと、日常的な家事ができないKさんは「一人暮らしは自分には無理だと思う」と言う。
私は、次の生活保護申請でつまづき、放浪生活になってしまえば、今度またいつKさんと接点を持てるかわからないとジレンマを感じていた。
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