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語り継ぐことの大切さ~9.11 20周年に思う~

Japan In-depth / 2021年9月14日 17時10分

私と同じなのか、テレビで流れていた風景があまりに非現実的で、まだ現実を受け止められない人々が多かったのか、外はまだいつもと変わらない日常が保たれている感じがした。





公共交通機関はすべて停止、徒歩も含めて、マンハッタンへは一切、外部から移動が出来ないとのことであった。





テレビではワシントンの国防総省にも攻撃があって、事態は全米規模ののものである可能性が出てきたため、飛行中の飛行機は全てすぐに着陸するように命じられたと伝えられていた。命令に従わない航空機はハイジャックされている可能性がある飛行機というわけだ。





緊急に着陸させられて、飛行機は一切飛んでいないはずなのに、飛行機が急速に近づいてくる音がした。普段はこんな音は聞いたことがない。何だこれは?これも現実なのか?





飛んでいるはずはない。





向かってくる音が尋常ではない。徐々に、耳に手を当てなければ鼓膜が破けてしまうのではないかと思うほどの爆音。
飛行機?ミサイル?





瞬時に再攻撃だと確信した。





他の多くの通行人も同じように認識したと見えて、私も含めて皆、瞬間に道路にかがんだ。いや、這いつくばったに近い。だが航空機は爆音を残して飛び去って行った。





これは後に、低空で飛行して警戒にあたっていた空軍の2機のF戦闘機だったということを知る。





現場が近いこともあって、この目で何が起きているのかを知りたかった。





取材者として情報を把握しておきたいと思い、自転車で現場を目指すことにした。





川沿いに南に下っていく途中、全身がホコリにまみれたゾンビのような人たちをたくさん見た。





衝撃を受け、まだ現実を受け入れていなかった自分に気がつく。





現場に近づくに連れ、すでにツインタワーが崩壊した現場から立ち上る煙がますます大きく、はっきり認識できるようになった。南のHoustonストリートまで行ったところで、そこから先は通行止めにされていて大混乱が起きていた。





自転車にまたがったまま、呆然と現場から立ち上る煙を眺めていたその瞬間、視界にあった226メートルの「7ワールド・トレードセンター」が、だるま落としのように垂直に地面に吸い込まれていった。









▲写真 崩壊するワールドトレードセンターノースタワー(2001年9月11日) 出典:Photo by David Surowiecki/Getty Images





昨日であの日から20年。





テロから20年を振り返るNYでの行事の一環として、大リーグの「ニューヨーク・ヤンキース」と「ニューヨーク・メッツ」の試合が行われるというので、「サブウェイ・シリーズ」という地元対決に日本のスポーツ番組の取材で撮影に出向いた。





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