総裁選:「原発ゼロ」の意味するもの
Japan In-depth / 2021年9月19日 11時33分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・総裁選まっただ中、争点の1つが「エネルギー問題」。
・震災後、電気料金は2割以上上昇、理由は再エネの買取制度。
・再エネ拡大は更なる電気料金アップを招く。日本の産業競争力が落ちる可能性も。
自民党総裁選まっただ中、Japan In-depthは8月早々に高市早苗前総務相、9月13日に岸田文雄前政調会長のインタビューを行った。河野太郎行政改革担当相の出馬表明が9月10日にずれこんだこともあり、単独インタビューの時間は取れなかった。野田聖子幹事長代行も16日夕方、推薦人20人の確保に見通しが付いたとして出馬を決めた。これで候補者は4人、混戦模様だ。大手マスコミや週刊誌による票読みがかまびすしい。なにしろ、自民党総裁=次の総理なのだから、関心を集めるのは当たり前かもしれない。
さて、菅首相が立候補を断念し、総裁選に複数候補が名乗りを上げたことで、「これぞ自民党の自浄作用だ」とか、「底力を見た」とか、評価する声が聞こえてくるが、それはそれとして、我々は誰が首相になったら日本は良い方向に向かうのかを考えなくてはならない。
争点は無数にある。もちろん国民最大の関心事はコロナ対策だろう。ただこの2年間、やるべきことは大体見えてきている。誰が首相になってもおそらく方向性が大きく変わることはない。
しかし、誰が首相になるかで日本の運命が大きく変わるものがある。それは「エネルギー政策」だ。
「エネルギー」は空気のような存在だ。無ければ困るが、当たり前のようにあるから誰もその大切さに気づかない。しかし、その電気料金は家計にとって極めて重要だ。
ところで、電気料金が東日本大震災以来、約20%~25%も上がっていることをみなさんはご存じだろうか?(下図)家庭向けで震災前の2010年に比べ約22%上昇、産業向けに至っては約25%も上昇している。いきなり上がったわけではないから気づいてない人が大半だろうが、家庭にとっても企業にとってもかなりの負担増だ。
▲図 電気料金平均単価の推移 出典:経済産業省資源エネルギー庁
電気料金を押し上げている要因の1つは、再生可能エネルギーの容量を増やしていることだ。
そういうと驚く人が結構いるが、実は再エネで発電した電気は、「固定価格買取制度」という制度の下、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることになっているのだ。なんでそんな制度が出来たかというと、東日本大震災の後、国の政策で再エネを増やすことにしたからだ。黙っていても再エネは増えない。だから、こうした制度を作って、人為的に再エネの普及を図っているわけだ。
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