米国はなにを間違えたのか「列強の墓場」アフガニスタン その4
Japan In-depth / 2021年9月23日 11時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・今年の9.11関連報道、日本マスメディアの皮相的な解説に落胆。
・ブッシュ・ジュニア米大統領(当時)の「十字軍発言」はまずかった。
・後続記事にて、軍事面からアフガニスタンの将来を考察する。
今回のシリーズは2021年9月11日に書き始めた。
もちろん予定の行動で、あの同時多発テロから20年。日本でも多くのメディアが特集を組むであろうと予想し、ネタが被らないように注意しつつ原稿を書きたいものだと考えていたのである。
今ではTVを見ずとも、各局のニュースサイトをチャンネル登録してあるので、必要な情報だけネットで「つまみ食い」できるのは、まことに便利だ。20年前は、スマホさえ未だなかった。
当時は毎夜、民放の報道番組を見るのが日課で、いつも通りにTVをつけたら、女子アナの第一声が、
「ニューヨークの世界貿易センタービルに、航空機が衝突した模様です」
というものであった。観光用のセスナでもぶつかったのか、と一瞬思ったことを、今でも覚えている。
すぐに現地からの中継に切り替わったが、ほどなく2機目がビルに激突した。それも明らかに大型の旅客機が。これは単なる事故ではないぞ、と直感したが、では一体なにが起きているのか、そもそもこれは現実の出来事なのかと、わが目を疑う、という気分をずいぶん久しぶりに味わった。
とは言え私も林信吾だ。すぐにジャーナリストのエンジンがかかり、ただちに局番をCNNに切り替えた。当時、ケーブルTVを契約していたが、有り体に言えば映画や海外サッカーが見たかったからで、これも想定外の展開であった。
そのまま明け方まで見続けたので、ツインタワーと呼ばれた二棟の超高層ビルが崩れ落ちた場面もリアルタイムで見ていた。
そして、20年が経ったわけだが、日本語と英語のニュースサイトを一通り見た中では、英国BBCの特集番組が秀逸だった。
若い読者はご存じないかも知れないが、この事件の直後、様々な陰謀論やフェイクニュースが流されたのである。それらを批判的に検証してゆく、というもので、昨今のコロナ陰謀論やワクチン陰謀論と二重写しにも見え、色々な意味で学びがあった。
この点、日本のマスメディアは皮相と言うか、通り一遍の「追想」「経過報告」に過ぎない記事や番組ばかりで、ある程度予想されたこととは言え、やはり落胆させられた。
日本の、ほぼ全てのメディアに共通していたのは、
この記事に関連するニュース
-
イスラエルはハマスの罠にはまった...「3つの圧力」に追い込まれたネタニヤフ、ガザ戦争の出口は見えず
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月21日 17時16分
-
高性能ゆえに〈望ましくないユーザー〉からの需要も多い「ランドクルーザー」…転売回避のためにトヨタがとった「苦肉の策」とは【自動車評論家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月15日 13時0分
-
ユーモアに秘められた大国の罪 【舟越美夏×リアルワールド】
OVO [オーヴォ] / 2024年5月6日 12時0分
-
イスラエルのガザ攻撃を止めるにはどうすべきか…中東で100年以上も泥沼の戦争が繰り返される理由
プレジデントオンライン / 2024年5月4日 10時15分
-
【2011(平成23)年5月2日】アルカイダの指導者、ウサマ・ビン・ラディン死亡
トウシル / 2024年5月2日 7時30分
ランキング
-
1「仕事と公務の二刀流」にお疲れ?愛子さま、日赤社内歓迎会翌日の“うっかりミス”
週刊女性PRIME / 2024年5月23日 8時0分
-
2交差点で一時不停止の車「免許を取ったことがない」45歳女を逮捕 北海道・函館中央警察署
STVニュース北海道 / 2024年5月24日 5時59分
-
3品川の住宅火災で母子4遺体、搬送された40代の父親に事情聞く方針…母親とは今月離婚
読売新聞 / 2024年5月23日 20時20分
-
4大分妻子殺害の被告、身勝手な動機 遺族は傍聴席の柵越え憤慨
毎日新聞 / 2024年5月23日 20時34分
-
512歳に散弾銃渡したか 61歳を銃刀法違反ほう助容疑で逮捕 愛知
毎日新聞 / 2024年5月23日 19時5分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください